団塊シニアのひとりごと

定年退職して14年目になりました、定年後の生活で
日々感じたことを伝えたいと思ってます。

父親の介護認定から亡くなるまで

2024年03月02日 | 介護

ピンピンころりがいいと思ってもそう上手くいかないのが現実、

長生きすれば誰でも介護を受ける側になる、私の父が介護認定

を受けたのが今から14年前、父が85歳の時だった、当時実

家で母と二人暮らしだったが「誰かが侵入してきた、預金通帳

がない」明らかに言動がおかしいと母から連絡があったが、そ

の時はそれほど深刻にとらえなかった。

 

翌日大学病院の精神科に行き検査の結果、レビー小体型認知症

と診断された、薬をもらいその足で市役所に行き介護認定の申

請、1週間後認定調査員が実家にきて父と面談、1ヵ月後要支

援2(日常生活の一部に手助けが必要)と判定された。

 

それから地域包括センターから連絡がありケアマネジャーのY

さんが担当となった、ディサービスにも通ったが認知症の症状

は日を追うごとに幻覚症状が悪化、母への暴言そして昼夜構わ

ず私のところに支離滅裂な内容の電話が頻繁にくるようになっ

た。

 

半年後には持病も悪化し体力も衰え呼吸も出来ない状態になり

老人病院に入院、人口呼吸器を装着した状態で5ヵ月、最期は

多臓器不全で亡くなった、結局父が望んでたピンピンコロリと

はいかなかった、ただこの時の経験で私自身介護認定の一連の

流れを理解できて8年後母が父同様認知症になり介護認定をう

ける時に生かされたと思っている。


老いを激しく嫌悪するとき

2024年02月27日 | 介護

劇作家で演出家の鴻上尚史氏の著書「ほがらか人生相談」で老

いた父親についてふれている、身体が不自由になり介護用おむ

つから大便が漏れ、それがベッドに広がり、毎回母親がその処

理をしてたという、その時の心情を俳句が趣味の父親がメモに

残していた「糞まみれ、これがおのれか歳暮れる」

 

鴻上氏の父親は40年間小学校の教師を勤め、地域の自治会長

もやり、色んな会合でリーダー的存在だっただけに苦しい胸の

内を俳句にぶつけたのかもしれない、実は私の父も晩年認知症

になり、おむつをして夜中に大便が漏れることが度々あった、

その始末を母がしてて私が実家にいくと、いつも愚痴をこぼし

てたものだ。

 

父が亡くなって当時の心境を殴り書きで書いてた大学ノート

を見つけた「情けない、惨めだ、なんで俺が認知症に」正直

息子として生前もっと寄り添ってればと複雑な気持ちだった、

人間は齢老いて自立することができなくなると老いを激しく

嫌悪するということを痛感した。

 

 

 


老老介護が6割を超えた

2023年11月07日 | 介護

2022年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると同居

高齢者を介護する世帯のうち、65歳以上の老老介護は63

.3%と過去最高だった、高齢の配偶者や親を自宅で世話する

ケースが増えており75歳以上同士の割合も35.7%であっ

た。

 

95歳の認知症の母と一日中、二人きりの日が続くと曜日

感覚すらなくなるという70歳女性、妻の排泄介助の大変さ

をあげ、このままでは共倒れになると思って自宅での介護に

終止符を打って施設に入所させたという70歳男性、アルツ

ハイマー型認知症の診断を7年前に受けた88歳男性は自分

のマンションを「ここは誰の家なんだ」と毎晩84歳の妻に

繰り返し問いかけるという。

 

施設への入居は経済的に厳しい、一緒に暮らしたい、理由

様々だが長期になると共倒れになるリスクも高まることは確

かである、私の場合はひとり暮らしの母が認知症になった時

点で遠隔地だったこともあり施設入居を決めた、2年間お世

話になり亡くなったけど今思うとプロに任せてよかったと思

っている。


認知症の両親を看取って思うこと

2023年09月28日 | 介護

先般、東京都世田谷区で71歳の夫が認知症の68歳の妻を殴

打し死亡させた悲しい事件があった、本人は「寝ようと思った

のに何度も話しかけられ腹が立ち、腹や頬を殴ったけど死ぬほ

ど殴ったかは記憶にない」と供述している、老々介護、高級住

宅地での事件、介護認定は?地域包括センターへの連絡は?施

設入居の検討は?新聞記事を読みながら私の両親のことを思い

出した。

 

13年前両親とも86歳のとき父は認知症になった、要支援2

だったがケアマネジャーに相談、デイサービスに定期的に通う

ことにした、老夫婦二人だけの生活、妄想、幻覚、「母ちゃん

に男がいる、金が盗まれた、このままでは自分の身が危ない、

母ちゃんと離婚するから家を探してくれ」と懇願、なんとか説

得しようとしたが最後は「母ちゃんの男に殺されてもいいのか」

と怒り、日を追うごとにエカレートしていった。

 

母にとって地獄の半年だったが、父は持病の肺の病気で入院す

ることで認知症の恐怖から母も私も解放された、その後父は人

呼吸器をつけたまま半年後になくなった、そして、あれほど

知症に嫌悪感を持ってた母が9年後、父と同じレビー小体型

知症になり壊れていく母を目の当たりにしたときは正直うろ

えた、今でも鮮明に覚えている亡き両親の晩年の思い出であ

る。


介護破産しないためには

2022年11月02日 | 介護

親の介護で子供が自己破産や親が入居してる高齢者施設の費用

を滞納、そうしたケースが増えている、介護破産までいかなく

ても予想外の出費が降りかかってきてお金の苦労に直面したら

誰もが不安になるものである。

 

母親を在宅介護できず介護有料老人ホームに入居させたが入居

一時金が500万円、毎月の入居その他の費用が25万円、母

親の年金が月15万円、入居一時金と不足分の10万円を退職

金から充当してるが、10年も経過しており資金が枯渇すると

いう72歳男性の体験手記が掲載されていた。

 

私の母の場合、ケアマネージャーに入居一時金のないところを

探してもらったことと、毎月の経費は5万円程の不足分がでた

がそれは親の預金の範囲内でまかなうことができた点はラッキ

ーだったいえるかもしれない、ただ入居期間が2年だったから

可能だったことで、もし3年を超えたら不足分は私が払うしか

なかった、やはりいつまで入居するか、いつまで生きるかが、

わからないだけに難しい問題である。

 


嫁の介護は感謝なき介護、評価なき介護、対価なき介護

2022年10月23日 | 介護

かつて高齢者の介護をするのは嫁の仕事だった、仕事といって

もタダ働き、社会学者の上野千鶴子氏によると介護とは女なら

だれでも、できる非熟練労働だと思われており今日にいたって

もそう思ってる人が多いという、さらにこんな表現もしている、

嫁の介護は感謝亡き介護、評価亡き介護、対価なき介護。

 

3世代で暮らす世帯は1986年は4割を超えていた、それが

2019年は9.4%、夫婦世帯は32.3%、独居世帯は2

8.8%、この3世代同居が多い時代こそ嫁に過酷な介護の負

担を強いることになったといえる。

 

それが世帯分離を可能にしたのは1961年にできた年金制度

である、老人は自力で生活できるようになった、さらに決定づ

けたのが2000年から始まった介護保険制度である、介護は

素人の家族に頼むよりプロのほうが上手だし家族の負担も軽減

されることは確かである、もう高齢者の介護をするのは嫁の仕

という時代は終わったと思いたい。


介護疲れで無理心中という夫婦の悲劇

2022年09月14日 | 介護

先月、宮城県で悲しい事件が起きた、無職の70歳男性、男性

の妻49歳、同居してる男性の兄73歳、兄弟の死因は窒息死、

妻は出血性ショックでの死亡、県警は妻が介護疲れから無理心

中を図った可能性があるとみて調べていると地元紙で報道され

た。

 

同居している男性の兄には知的障害がり、会話や歩行が困難だ

った、男性は数年前に脳梗塞を患い仕事を辞め後遺症で体が不

自由になり、それぞれが介護認定を受けていた、兄は訪問看護

を週3回、男性は週1回ディサービスを利用していたという、

そして日常は49歳の妻がパートとして働きながら二人の介護

をしていた。

 

男性は介護する妻に暴言を吐いたり、暴れたりすることもあっ

たという、きっと思うように体が動かない、人に頼らなければ

ならない惨めさ、職を失い生活保護を受けてたものの、苛立ち

から矛先は妻に向かった、一番気の毒なのは49歳の妻である、

2人の介護疲れで精神的に不安定になり通院、こんなはずじゃ

なかったと思ったはずである、結局将来を悲観して追いつめら

れての犯行、兄弟の死因はいずれも首を絞められたことによる

窒息死と判明した。


人生案内「母の介護めぐり妹と険悪」

2022年08月12日 | 介護

読売新聞「人生案内」相談者は50代の主婦、同居している80

代の母親を介護している、先日、母が腹を下して大変だった話を

妹に聞かせ、「あんたはこんなことを経験せずに自由でいいね」

といったところ、慰めてくれるどころか「私は頼まれたらそっち

に行って面倒を見ている、その時我が家は犠牲になってるのよ」

と怒鳴られた、頼むなんて年に一度か二度なのに、近所の人は

大変さを理解してるのがせめてもの救いだが心の持ちようを教

えて下さいという内容であった。

 

回答者はきょうだいは他人の始まりというが親の介護がそのき

っかけの一つです、売り言葉に買い言葉どっちもどっちという

のが率直な感想です、第三者ならよくやってると言えるけれど

肉親ゆえに、しかも自分も相応に分担すべきだという認識があ

ると、かえって態度を頑なにしがちです、感謝しないどころか

介護をしている人にあたかも非があるかのような言動をとるな

ど、残念ですがよく聞く話です、ただ介護を受けているお母さ

まが感謝の気持ちを伝えてくれていることが、救われるのはご

自身ではないでしょうかと回答している。

 

確かに親の介護問題は深刻である、今回のケースは介護の問題

を担ってる相談者に感謝の気持ちを表さない妹さんに非がある

ことは言うまでもない、ただ回答者がいうように売り言葉に買

い言葉によって険悪になったことは間違いない、妹さんの言い

分がわからないがお金の問題とか複雑に絡んでる場合もあるだ

けに介護の問題は難しいと言える。


刑務所が介護施設化している!?

2022年08月05日 | 介護

先日読売新聞の朝刊に「刑務所になくて社会にあるもの」とい

う記事が掲載された、刑務所も高齢化するのは日本社会と無縁

はなく府中刑務所(東京)ではこの20年で倍増した、6人

に1人が65歳以上で最高齢は90歳、罪名では窃盗が全体の3

割強を占めるという。

 

そしてそんな高齢者がお手玉を投げたり、介護福祉士に見守ら

れ脳トレに励む人もいるという、まさに介護施設のリハビリ、

違いがあるとすれば私語が禁じられていることである、だが塀

のなかで手厚い処遇を受けても塀の外に仕事や住む場所がなけ

れば再犯して逆戻りしてる、65歳以上の5人に1人は2年以

内に再入所してる。

 

一時は5万人の受刑者が現在は4万人程度に減少しているそれ

でも再犯した人が「刑務所に戻りたかった」という声を聞く、そ

れは刑務所では良くも悪くも受刑者は見張られている、だが社会

に出れば誰からも心配してもらえない、孤立しがちになる、居場

所がなく三食も約束されてないとなると再犯してしまう、しかし

受刑者一人にかかる費用は280万円とも言われてる、それは税

金で賄われてる、だから国は出所後の支援体制に力を入れて再犯

防止に努めることを急ぐべきだろう、しかし難題であることは間

違いない。


母の終の棲家は有料老人ホームだった

2022年07月12日 | 介護

認知症になった母が有料老人ホームに入居したのは亡くなる2

年前、スタッフは慣れたもので母にやさしく子供に対するよう

に言葉をかけてくれてた、私は毎月2回昼食前に訪問し、スタ

フから健康状態や迷惑をかけてないか、不足してるものがな

いかの確認だけは怠らないように努めた。

 

食事の時は20人ほどの入居者はほとんど無言で気力を失って

るように見えた、だから帰り際に挨拶しても誰も反応しなかっ

た、施設ではクイズを出したり、童謡を歌ったり、週に3回遊

びを提供してくれていた、参加してない人もいたが晩年の母は

このイベントだけが日常生活で唯一の楽しみだった

 

2年間だったが遺族年金と貯金を取り崩しながら、介護状態の

母の世話をしてもらった、食事、入浴、排せつ、薬の管理、

物代行、病院への付き添い、これが自宅で介護となったら、

変な労力で正直無理だった、やはり助けを求めてプロに任せて

よかったと痛感している、だから晩年は母にとって有料老人ホ

ームのスタッフは近所の人より、友人よりもかけがえのない人

なったことは間違いない。