夫が看取ると余命5年、妻が看取ると余命22年といわれるが、
妻に先立たれた夫の寿命は少なくとも15年も縮まるという調
査結果が出ている、愛妻家で知られた経済小説開拓者である城
山三郎氏「毎日が日曜日」や「官僚たちの夏」のヒット作を遺
しているが奥様亡きあとの喪失感、本人でないと理解できない
ものがある。
城山三郎氏の奥様が亡くなったのは2000年、68歳のとき
である、そして城山氏が亡くなったのは2007年、79歳の
時である、この7年の辛い日々を著書「どうせあちらへは手ぶ
らで行く」に書かれてる、妻を失ったこと、ただそのことだけ
で後は何も考えたくない、それほどの妻だった、おかげで豊作
の人生だった。
さらに46年の結婚生活で積み上げてきたものが一挙に崩れて
消されてしまった思い、強烈な孤独感と不安感、目先のことし
考えぬようにしよう、目先のことだけ楽しんで生きようと自ら
を鼓舞しようとする決意が感じられた、しかしこの翌年間質性
肺炎でこの世を去った、いかに愛妻家でありいかに奥様を愛し
頼り切ってたかが文面から伝わってきた、まさに冒頭の夫が看
取ると余命5年、そんな生き方だった。