かつて高齢者の介護をするのは嫁の仕事だった、仕事といって
もタダ働き、社会学者の上野千鶴子氏によると介護とは女なら
だれでも、できる非熟練労働だと思われており今日にいたって
もそう思ってる人が多いという、さらにこんな表現もしている、
嫁の介護は感謝亡き介護、評価亡き介護、対価なき介護。
3世代で暮らす世帯は1986年は4割を超えていた、それが
2019年は9.4%、夫婦世帯は32.3%、独居世帯は2
8.8%、この3世代同居が多い時代こそ嫁に過酷な介護の負
担を強いることになったといえる。
それが世帯分離を可能にしたのは1961年にできた年金制度
である、老人は自力で生活できるようになった、さらに決定づ
けたのが2000年から始まった介護保険制度である、介護は
素人の家族に頼むよりプロのほうが上手だし家族の負担も軽減
されることは確かである、もう高齢者の介護をするのは嫁の仕
事という時代は終わったと思いたい。