人間は寿命が尽きた時に死ぬのが昔の医学の原則だった、今は
寿命がつきても人工的に生かす医学に変わってきた、それでも
死ぬときはどんな人も孤独である。
そこは貧富の差もなければ社会的地位もない、ひとりで生まれ
てひとりで苦しみ、そしてひとりで死んでいく、みんな孤独で
ある、高齢になると先は長くない、だからいつ死んでもいいと
いう心境で私はいるけれど周囲を見渡すとそうでもない。
私の父は病院に搬送された時「まだ死にたくない」悲痛な叫び
だった、86歳だったが生きることに執着していた父、母も私
も弟も父には生きていて欲しかった、延命治療を選択、気管切
開して生きることに一縷の望みを託したが力尽きて半年後に息
を引取った、老いるということは醜くく、つらく孤独で悲しい
面も背負うものだと痛感したものだ。