白滝不動尊にほど近い其の場所は、子どもらの間でガラクタホウドウと呼ばれていた。廃墟も同然の洋館の、其の名の由来を知る者はたれもいなかった。生い茂る灌木や背の高い草の叢を分けて行くと崖っぷちの露壇に出、ミシシッピ・ベイが一望できた。近所の大人の話では、車寄せの椎木に大きな青大将がよく絡み付いていたという。
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