米国国務省が領事情報で、中国における新型インフルエンザ隔離措置に対する注意喚起を出しているとの報道が日経に載っています。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090621AT2M2000E20062009.html
これは穏やかじゃありません。 ただ、このような280字ばかしの記事では概して、記者の恣意的抜き出しになりがちなので(この事自体は非難することでない。管理人など某新聞相談欄で600字以上もらってるのに悩むこと多し)、原本に当たってみました。
米国国務省 トラベルアラート↓
http://travel.state.gov/travel/cis_pa_tw/pa/pa_china.html#
- 中国の検疫制度では、感染地域から到着した発熱・呼吸器症状発現者を7日間隔離することになっている。
- 米国からの旅行者が検疫隔離される割合は大きくないが、そのランダムな選択法に旅行者間で不安が高まっている。
- 基本的に、感染地域から来た有症者と近くの席に座っていた者が対象であるが、微熱だけで隔離されてしまった乗客の報告例もある。
- あるケースでは、子供が親から強制的に引き離され隔離されてしまった例もある。そして、親との相談なく(注:without first having cousultとありますから、同意consentだけの問題じゃなくて、アレルギー歴聴取や既往歴・服薬歴聴取もなしにという意味か)薬が投与されてしまった。
- さらに、検疫措置の不適切な環境について報告を受けている。適切な飲料水と食事が得られないこと(unaveilability of suitable drinking water and food)、衛生上問題のある環境(unsanitary condition)、他人とコミュニケーション困難など。
- 米国大使館から、中国の検疫期間に影響を与えることはできない(要は、米大使館領事部からクレームをつけて検疫期間を短くさせる・・・なんて事はさすがに出来ないよ という意味)。また、中国政府は、検疫隔離によってこうむった損害に対して賠償をしない。 だから、検疫隔離措置によってこうむる損害に備えて旅行者傷害保険には加入しておくべきである。
ううん、ここのところ検疫隔離された自国民の声に振り回される米国大使館員の溜息が行間から染み出してくるステートメントですね。
管理人の北京在勤中の外国人社会実感からは「適切な飲料水と食事が得られないこと(unaveilability of suitable drinking water and food)」からは、「ミネラルウォーターの小ボトルがもらえない! 大ボトルからコップに汲むのじゃイヤだ!」「毎日中華料理じゃ飽きちゃうよ。米の飯ばかりじゃイヤだ。たまにはマック食わせよ!」あたりのわがままレベルの声が容易に想像できます。”unsanitary condition”は便器が洋式じゃなきゃイヤ、、、あたりか。
それより管理人的に深刻だと思うのは「子供が親から強制的に引き離され隔離されてしまった例もある。そして、親との相談なく薬が投与されてしまった」件の方です。アレルギー歴の聴取もなく過去のタミフル異常行動歴聴取もなく投与されたのなら・・・
私が日経記者で280字制限の原稿書かなきゃならなかったなら、間違いなく「子供強制引離し」の方を切り取ると思います(それともデスクが削っちゃったのかな?)。
発生直後は食料品の需要が一時に集中し、思うように手に入らないおそれもあります。不要不急の外出をしなくてもいいだけの最低2週間程度の食糧・日用品は準備しておきましょう。