新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

卒業チャリティ旅行はやめてね!(UK)

2009-08-02 21:25:19 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

UKでは、gap yearという習慣があります。 高校を卒業したら、大学入学前の時間に卒業旅行に出かけます。 大学の新学期は9~10月ですから、ちょうど今、その時期です。

日本の卒業旅行とちょっと違うのは、チャリティ的要素の加わることがあり、たとえば、サブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)に行って学校を建てる手伝いをしたりボランティア活動も行います。

新型インフルエンザが猛威をふるうUKから、ティーンエイジャーが大挙してアフリカなど途上国にゆけば、新型インフルエンザを持ち込んでしまうかもしれない。しかも、栄養不良はエイズ患者など、抵抗力の弱い群に持ち込まれたらバタバタ犠牲者が出てしまうかもしれない。 現に、ケニアではUKからのツアーから現地に持ち込まれた実例もあります。

これを受けて「若者よ、今年だけは卒業ボランティア旅行をやめておけ!」と呼びかけられています。
保健省の倫理担当Dingwell氏は「旅行禁止措置はとられていないが、UKの旅行者は、その訪問先の人々に対する倫理的責任を考えなければならない。今年は国内にとどまるのがモラル上正しいことである」と。

保健省の倫理担当がこういう呼びかけをキチンとする・・・この国が米国より一枚上手かなという気がします。

ただし、一部の旅行会社は協力しない(キャンセルしたらカネ返さない)構えも見せており、一筋縄ではゆかないようです。

ソースは8月2日付guardian↓
http://www.guardian.co.uk/world/2009/aug/02/gap-year-travel-swine-flu
Gap year charity workers urged to stay at home to help restrict spread of swine flu

 

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