ほんのちょっと油断したらこういう事が起こってしまうという、いかにも途上国的なお話。賃金不払いに怒った遺体処理チームが、遺体を病院外の路上に置くという抗議行動。 その不払いの原因がネコババらしい!とも。
- シエラレオーネのケネマ。ボーナスを払ってもらえないことに怒った遺体処理チームが、病院近くの道端に遺体15体を陳列!その中には赤ん坊の遺体2体も含まれる。うち3体は病院入口に置かれたので、病院に入ることが出来なくなった。
- 本来支払われるべき危険手当の支給がおこなわれていないことに対する抗議
- 当局は、この抗議行動に加わった者は解雇すると宣言。
- 遺体をこのような路上に見えるように置いたりする非人間的行為はまったく受け入れられないとNational Ebola Response Centre責任者談。
- また、中央政府はdistrict health management teamに対し適切に払っているとも。このお金がどこに行ったのか、どこかで誰かが捜査を受けねばならない。“Somebody somewhere needs to be investigated (to find out) where these monies have been going,”
- シエラレオーネでは賃金と危険な労働条件をめぐって、医療関係者のストライキがしばしば発生している。2週間前にはBoのクリニックで医療関係者の立ち去りも発生した。
EVD犠牲者の遺体を病院近くの路上に(目に見えるように)陳列するという過激な抗議行動に驚いた先進国メディアが大見出をつけているわけですが、管理人的にはその背景に注目しています。
賃金不払いについて、中央政府はちゃんと予算を組んで金を地方に流したと言っている。しかし現場の人間には行き渡っていない(から遺体路上陳列が起こった)。だから捜査が必要だと言っている(翻訳すると「誰かがネコババしたっ!」と言っている)。こういう不明朗な金の流れが縦横に起こるのがアフリカです。ネコババ、ピンハネ、ソデノシタ。ギニアではワイロを払ってエボラ以外の通常死の死亡診断書にしてもらって通常どおりの”尊厳ある”葬儀が出来るようにしてもらうという話もありました。
アフリカでよく起こる、金の流れに身を置ける人が不思議な金持ちになって富を独占寡占、スイスの銀行の大得意になる・・・というストーリーが、例によって例のごとくという事でしょう。今回のEVDではそれが危険な遺体の路上陳列という事で明るみに出ましたが、こうした金銭的公正へのインセンティブというのも、これを機会に提示してゆかねばならないメッセージであります。
これまで先進国政府から、NGOから、篤志家から寄せられた浄財がどう流れてゆくのか、エボラ長者が発生しエボラ御殿が建つなんでことが起こるのか、監視を強めてゆく必要がありますなんて凡庸なメッセージはともかく、文化を変えてゆくという遠大な必要性を感じた本件でした。
ソースはアルジャジーラ⇒Punch
http://www.punchng.com/news/ebola-workers-in-sierra-leone-dump-bodies/?
http://www.aljazeera.com/news/africa/2014/11/ebola-workers-sierra-leone-dump-bodies-2014112601140962751.html