そこらへんの薬局の飛び込んで「カゼひいた、薬ちょうだい」と言って何が出てくるか。というある高名な先生のアイデアをそのまま実行してみるトライ。処方箋なしでクラビットが何の説明もなくポンと出てくるなどという面白いことが起こるのか否か。
前回のヤンゴン編では、抗菌薬は出てこず(AMR的にはマトモで)でしたが、でもミャンマーの国民的カゼ薬が、日本のotcよりきめ細かいという収穫もありました。
https://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/5821a418cef2323c3f4c799a362cf865
今回は台北市でトライ。
ホテルの至近にあるのはWatsons。マツキヨみたいな大規模ドラッグストアチェーンです。棚を見たら一番目立つところがこんな風。ここではオモシロイことは絶対に起こらないと確信(笑)したので写真だけ撮っておしまい。
庶民の商店街のゴチャゴチャとした処の、小さな薬屋さんを見つけて飛び込みました。
カウンターのお爺さんは英語を解さず、娘さんとおぼしき中年女性が出してくれたのがこれ。100台湾元≒360円。
中身は:
Acetaminophen 300mg
Potassium Guaiacol Sulfonate 60mg
Chlorpheniramine Maleate 30mg
Dextromethorphan Hydrobromide 15mg
DL Methylephedrine Hydrochloride 10mg
Caffeine Anhydrous 30mg
Thiamine Hydrochloride 8mg
Rivoflavin 4mg
「一日三次 一次一粒 飯後30分鐘内服用」
抗炎症剤+抗ヒスタミン剤+咳止め+ビタミン剤
製造元は 長安化学工業服務有限公司(彰化県福興郷)
この会社のFBを見ると、創立は日本占領時代に日本人が創立、「杉澤龍貫堂」として置き薬の会社として始まったようです。その後、1950年に台湾側が引き継いで現在に至るとあります。味わい深い話です。
同社FB
https://www.facebook.com/Chanan.pharma/
要約:
1.台湾では薬局でカゼひいた人に抗菌薬をポンと出す・・・ということは無かった(AMR的にはマトモであった)。
2.大規模チェーンでは日本製のお馴染みのが競っている、面白みのない光景。
3.ゴチャゴチャした処の小規模薬局に行くと台湾製のディープなのものにお目にかかれる。添付文書は台湾語オンリー。成分は抗炎症剤+抗ヒスタミン剤+咳止め+ビタミン剤。
4.その製造元を調べてみると、日本占領時代に日本人が置き薬の会社として創立したのが、台湾人の手で受け継がれているという味わい深い歴史も。
その、ゴチャゴチャした通りでは、こんなアヤシイものも新発売だといって売っていました(笑)