旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 南浦和→新潟

2004-08-08 13:19:44 | ラベンダー紀行
上越新幹線 Maxとき305号 (新潟)

来年、台湾に新幹線が開業する。日本の新幹線が初めて海外を走るのである。今から楽しみだが、並行する在来線が気になる。新幹線が開業すると、並行在来線は一変する。新幹線は早くて便利だが、列車の旅の楽しみは在来線の方が勝っていると思う。最近では東北、九州と在来線に乗り納めに行っている。台湾の鉄道に乗った事は無いので、是非とも乗っておきたい。

そのつもりで7月下旬の予定を空けておいたが、暑くなってきた。南へなぞ行きたくも無い。台湾は涼しくなってからということにして、北の方へ行こうと考える。昨年、乗り損ねてしまった石勝線(新夕張-夕張)に乗って来ようと思う。ついでに豚丼(ぶたどん)を食べてきたい。近頃、米国産牛肉の禁輸により、牛丼の代替品として豚肉を使った丼物が供されている。これを豚丼というのは憚られるが、大手牛丼チェーンが豚丼として販売している。しかし豚丼は十勝が生み出した料理であり、調理方法からして全く違う。牛が無いから豚でという安易な料理に同じ名前を使って欲しくなかったが、大手が使うのではどうにもならない。他のチェーンでは豚めし、豚丼(とんどん)などどしているのだが。

平成16年7月17日土曜日。夜勤明けで、そのまま旅立ちとなりそうだったが、気分を改めるべく、京浜東北線南浦和駅から旅を開始し、新潟までの乗車券(5,250円)を自動改札機に通した。駅構内のジューサーバーでミックスジュース(150円)を購入。時間が無いので無作法だが列車内に持ちこむ。南浦和7時14分発。仕事帰りの2人が同行していたが、北浦和で1人下車。彼にはミックスジュースをご馳走になった。

大宮に7時25分到着。ミックスジュースを飲んだだけでは心もとないので、アイスコーヒーとサンドイッチのセット(400円)を購入する。同行したもう1人は入場券を購入して、新幹線ホームまでやってきた。私の旅で見送りがあることなぞ滅多にない。大して会話する間もなく、入線してきた東京発新潟行、新幹線Maxとき305号に慌しく乗りこんだ。大宮発7時38分。

3連休の初日だからか、空席は無く、デッキに立っていた。サンドイッチを食べる事も出来ない。大宮から新潟までの新幹線自由席特急券は4,100円もする。列車は関東平野をひた走り、高崎を過ぎるとトンネルが続き、大宮を出て最初の停車駅の越後湯沢に近づいた。ここで席が空いたので、ようやく腰掛ける。この新幹線は2階建てで、座ったのは1階席である。全く景色は見えない。それでもアイスコーヒーとサンドイッチにありつけた。サンドイッチはクロワッサンにベーコンと卵などが挟んであるが、齧ると卵の殻が歯にあたった。二度とそのチェーン店を利用する事は無かろう。

私は3人掛けの通路側に座っているが、窓側の2人は大学生らしい。7・13水害の話をしている。どうも実家が被災地らしい。こうして旅行に出かけているのが申し訳無いような気がする。この列車は越後湯沢からは各駅停車となる。大雨で在来線に不通区間があると車内放送で言っている。新幹線だけは快調に走りつづける。やがて隣の席の2人が燕三条で降りていった。これから故郷の惨禍を見るのであろう。あまりにも外の様子がわからないので、1階席からデッキへ上がってみる。燕三条駅付近は変わりなかった。北陸自動車道三条燕ICにも変わりなく車が流れている。結局、被災地を目にする事は無かった。しばらくして終着の新潟に9時15分に到着。車窓は楽しめなかったが、さすが新幹線は早い。 (つづく)
東日本旅客鉄道(JR東日本) http://www.jreast.co.jp/