飛馬大飯店 (台灣省屏東縣屏東市)
屏東の改札を出る。そして翌々日に乗る列車の切符を購入する。駅の一角には案内所がある。今夜泊まるつもりのホテルの候補はあるのだが、案内所で聞いてみることにした。南方の顔立ちの若い女性が座っている。私が日本人と判ると、片言の日本語で話し始めた。何か嬉しそうである。今夜の宿を紹介して欲しいだけなのに、彼女の友人(日本語が話せる)に電話をして通訳してもらったり、ホテルの日本語の話せるスタッフが今いないとか、ややこしい話になってきた。日本語は関係ないのであって、今夜の宿の予約をしたいだけである。結局、駅前のホテルに直接行って空室を確かめることになったので、この案内所は何も役立っていない。しかし案内所の女性は友好的で、「私たちは友達ですよね」と握手を求めてくるし、何故かサインもした。フルネームで書いてしまった事を後悔した。それにしてもようわからん。
駅舎を出て、すぐにホテルはあった。ガイドブックにも載っており、ここなら案内所に訊くまでも無い。フロント氏は日本語は通じないが、部屋はあるか、いくらかというだけなので、全く問題は無い。朝食付きで1,000元というので2泊分の2,000元を支払い、鍵をもらってエレベーターで部屋に向かった。ドアを開けて中に入る。なかなかユニークな造りの寝台が置いてある。2泊はしたくはない。フロントに降りて、先ほど購入してきた列車の切符を見せて、明日は台南に行く予定だった、間違えたという事にして、1泊に変更、1,000元を戻してもらう。駅から少し離れているが、予定していたホテルに直接行ってもよかったか。
とりあえず、晩飯を食べに出る。担仔麵の看板に惹かれて、店先で注文し、店内に入る。台湾ビールも注文する。はじめて見る台湾の瓶ビール。600ml入りで50元である。日本の大瓶より33ml少ないが、ひとり麵を啜りながら飲むには多い。担仔麵(大)が運ばれてくる。こちらは40元。安いのでビールのあてにもう一品何か頼んでもいいが止めておく。食べていると何やら気持ち悪くなってくる。韮のように入っている葉っぱが原因である。香菜か。箸が止まりそうになるが、葉っぱを除けながら麵は食べきった。宮脇先生が葉っぱを除けつつ食べたのも担仔麵だったのか。勿体無いので、丼の底の肉そぼろを蓮華ですくって食べてみると旨い。葉っぱ抜きで注文するとよい様だ。片言の日本語で店員に見送られ店を出る。
夜の屏東 (台灣省屏東縣屏東市)
いずれも民國95年11月25日撮影
ホテルの部屋に戻る。浴室もユニークな造りである。汗を流し、さっぱりとして寝台に寝転び、テレビを見る。くだらないバラエティー番組をやっている。くだらないのでついつい見てしまう。一人の女性タレントが、日本語で「かわいい」とか「かっこいい」とか、完璧な発音で時々話す。日本人かとも思うがよく判らない。明日の朝は早いのに夜更かしをしてしまった。バラエティー番組が終わったので、寝ることにした。うとうとしていると電話が掛かった。受話器を取ると女性の声。英語で、私は中国語が話せません、と言って電話を切って寝た。 (つづく)