6月29日(土) くもり夕方から小雨
週間天気予報を見る限り、しばらく泊り装備での山歩きはできそうになく、日帰り装備
「ナキウサギを撮影できたらいいかな」スタイルに換装しておいた。望遠ズームに
100‐400ミリレンズを用意しておくだけの話だが。
道の駅・ひがしかわ道草館から十勝連峰は見えず、チラッと拝める大雪山方面は黒い雲に
覆われた早朝、早く起きてはいたが行動するのはためらわれ、グズグズと車内で過ごしていた。
しかし上空は薄曇り、すぐに雨が降ってきそうな気配は少なく、ダメ元で望岳台まで
行ってみることにした。途中、ガスが多いながら十勝連峰は姿を見せ、雨に打たれるリスクを
背負いながらなら山歩きはできそうだった。
写真は望岳台から十勝岳。
十勝山麓は、エゾイソツツジやマルバシモツケなどの白い花が盛りで、たくさん咲いていた。
あれだけ麓の美瑛町には来ていながら、意外と望岳台周辺を歩くことは極めて少ない私。
えっちらおっちらと美瑛岳との分岐まで登ってきた。ここは、望岳台と十勝岳との、距離的には
ほぼ中間地点付近だ。これ以上進むと、天気が崩れたらずぶ濡れ必至、清く引き返す。
私一人だけだったらこの時点で下山していただろうが、北海洋さんと名古屋のSさんと合流。
両巨匠に割り込む形で、ナキウサギを撮影することになった。お二人の動物写真撮影にかける
意気込みは凄まじく、ついでにナキちゃんでも…という私のスタンスとは開きが大きすぎて
お話にならず恐縮至極だが、異種格闘技で少しでも知識を吸収し、天気が悪いと下界でダラダラして
過ごすだけの自分の怠惰をわずかでも諫めたい。
本日のフェリーでいったん帰宅するSさん(5月上旬から居続けたそうだ、でもまたすぐに復帰するとか)
を見送ってからは、北海洋さんと二人になり、ペチャクチャおしゃべりしていると子ナキちゃんが姿を見せ、
私はうれしく撮影した。すでに膨大な量を撮影済みの北海洋さんらにとっては、どこに、どんなのが現れ、
どんな仕草をするかが重大で、ただ姿を現せただけではすぐに飛びつきはしないが、素人ティーな
私としては、写真が撮れただけで大満足なのだ。子ナキちゃんとても愛くるしい。
ゆっくり下山中、子ぎつねが三匹現れた。すぐ隠れてしまい、もう姿は見せないだろうなと思いつつ
待ちながら、二人でまたペチャクチャしゃべっていたら、再び現れ、また隠れてを繰り返すうち、
だんだんとこちらの存在が気にならなくなったらしく、のち、けっこう長時間観察することができた。
はっきり言って、登山者にとってキタキツネは天敵、悪者以外何物でもなく、私も普段は忌み嫌っている
のだが、子ぎつねは例外的に手放しでかわいい。無事育ち、巣立つことを祈った。
望岳台のレストハウスが改修工事に入ったところまでは知っていて、完成後訪れたのは
今回が始めてであった。高所の登山口にある公共の施設としては異例の立派さ、美しさで、
洗面所の水が温水、ウォシュレットまでついているトイレには賛否あるかもしれないが、
やっぱりお尻だって洗ってほしい。
比べると、たとえば大雪高原温泉登山口駐車場の公衆トイレなどは質素すぎる。
もうちょっと何とかしてほしいと思いつつ、仮にもしここまで立派なのができてしまうと、
オートキャンプ目的の車中泊組が増大すること間違いなしだ。彼方立てれば此方が立たぬ。