新作アニメを見ていると、人気声優さんらは、繰り返しいろいろなアニメ作品に
登場していることに気がつきます。一聴瞭然、すぐにあの方だとわかる人もいれば、
どこかで聞いた声だなとだけ思う人だとか、エンドクレジットを見て初めてあの人
だったんだとわかる場合もあります。
この前NHK・BSプレミアムで再放映された「涼宮ハルヒの憂鬱」で主人公・ハルヒを
演じ、主題歌「冒険でしょでしょ?」まで歌っていた声優・平野綾さんは、おそらく初回放映
当時大人気を博したはずです。その頃、アニメ(あるいは原作のライトノベルだったかも)が
ずいぶん話題を集めていたことだけは、私もかすかに理解していました。
私は昨年のNHKの放映で初めて視聴したわけですが、なるほどよくできた作品だなと
思いましたよ。ただ惜しむなくは、前半のハイテンションが途中でボルテージがやや下がり、
中盤以降は番外編か後日談的な印象を受けてしまったことかなあ。当初のノリで最後まで
押し通せていたら、歴史に残るすごいアニメ作品になっていたかもしれません。
そんな私のあとづけの勝手な感想はともかく、主演の平野さんは一躍スターダムにのし上がり、
大人気声優のひとりとなったはず…にもかかわらず、最新のアニメ作品には、私の知る限り
まったく出演されていないようでした。声優は栄枯盛衰が激しい人気商売みたいですから、
彼女も厳しい競争に生き残れず、パッと出てパッと消えた(つまり一発屋)だったのかもなと、
失礼ながら根拠なく思い込んでいたのでございます(これ、吉田修一さん作「国宝」風な
言い回しなのでございます)。
そしたらタイムリーなこの新聞記事(朝日新聞・和歌山版で、2月6日(火)夕刊に掲載)です。
アニメ作品で得た名声をあっさり捨てて、ミュージカル俳優になられていたんですね!
コアなアニメファンや平野ファンは当然ご存知だったこの話も、私のようなすれ違いざまに
たまたま彼女のことを知ったような者からしたら、びっくりなスクープ記事でしたよ。ハルヒまんまに、
彼女も驚くべき意志の強さ、行動力の持ち主だったのですね。なにせ地球を滅ぼせるくらいの
力を備えているお方ですから。
私はミュージカル作品とはまったく縁のない人間ですし、彼女の活躍を間近にする
機会はまずないにしろ、遅れてきたハルヒ・ファンとして陰ながら応援したいと思っております。
「涼宮~」をつくった京都アニメーションという組織には、優秀なスタッフがそろっているのか、
同じ時間枠で続けて放映された「響け!ユーフォニアム」も優れた作品でした。両作品には
同じスタッフが多く名を連ね、中でもキャラ・デザイン担当の池田晶子さんがずば抜けたセンスで、
彼女の描くキャラクターたち(特に女性)は愛らしく魅力的、かつ、個性的でキャラが立っていて、
美人女子高生がたくさん(吹奏楽部が舞台なので)出演する響け!~でも、なんとか登場人物の
区別がついて楽しめました。このあたりの演出が弱く、印象が薄いと、女性の顔が皆同じに
見えて見分けがつかず、おじさん、ついてけないのです。
京都アニメーションといえば、今新作アニメとして放映中の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」も
同社がつくっているみたいです。これは先の二作品とはスタッフも違っているようで、ギャグを
抑えた、重い、テーマ性のある作品なのですが… 話が終わりません。
そろそろお開きとした方が、いいでしょでしょ?
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