民主党の代表選で、岡田克也氏が選ばれた。ほとんど新鮮味はなく、これにより、自民党に対抗して政権を争う党に生まれ変わるとは、どうも信じにくい。変化より安定を選択した印象で、野党としての躍動感も感じられない。
本日付日経新聞朝刊3面の「新代表の横顔」によれば、同僚議員の岡田評は、「一緒に飲んでもゴルフをしても楽しいと思ったことは一度もないが、安定は一番」ということらしい。「ぶれないし、群れない」が、「融通もきかない」。「しかし、安定感は抜群だ」となっている。面白くもおかしくもないが、ただ安定だけを求めたとすれば、先行き日本政治に心躍る躍動感が生まれることは先ずあるまい。
それにつけても、自公政権の3分の2以上議席占有は重い。外ならぬ安倍首相の体質を思うと、何とも暗い。不意打ち選挙で4年の任期を手にしたが、憲法改悪のために期間が足りないと思えば、来年の参院選で同時選挙に打って出て、時間を確保するかもしれない。
その危ない道を歩かないように、戦後政治で日本国民は、与党に3分の2の議席だけは与えてこなかった。ところがここに来て、安倍晋三という最も危険な男にそれを与えてきている。世界的に保守回帰の傾向はある。極右が政権を取るところまではいかないが、ヨーロッパでも保守化に対する警告が叫ばれている。日本国民もその傾向にあるのだろうか?
維新の会(党)などは、明らかに自民党より右であろう。次世代の党の凋落ぶりを見るとそれほど右傾化しているとも思えないが、戦後民主主義と平和希求の気風は明らかに退潮していると思える。私は、少なくとも民主党にその気風を保ち続けてほしいと思うのだが、無理のようだ。
リベラルというか、ヨーロッパの中道左派的な政治勢力がもっと育って、自民勢力と政策を競い合うような政治が地道に行われなければ、経済も政治も健全にならないのではないか? 民主党がそのようなリベラル政党に育ち、150から200の議席を占め、その左に共産党が50前後まで伸びて、各30議席前後の公明党、維新の党を従えた自民党と拮抗する政治戦で、国民が政治に敏感になる状態が、過度的な段階として続くことを想像しているのだが…?