オバマ大統領のノーベル平和賞受賞演説につき、昨日「物議をかもすであろう」と書いたが、早速様々な反応が報じられている。
予想したように、共和党が大喜びで、欧州平和愛好国に批判が出ているようだ。それはオバマ氏の提起した「必要な戦争」をめぐってであろう。
オバマ氏は、悪の存在する現時点では非暴力主義だけでは国を統治できないとした。つまり、人類の現到達点では、未だ「必要な戦争」を脱却できないと言うのだ。
相手から攻撃されて已む無くやる「必要な戦争」はまだしも(これも問題かな?)、悪と定めた相手の国に乗り込んでやる戦争を「必要」とするのは、議論の分かれるところだ。
これはあくまで、説得、話し合いで解決すべきことと言うのが平和勢力の考え方だ。それに対し、ブッシュなどを先頭とする好戦勢力は「先制攻撃論」をもって「戦争を必要化」する。
オバマの今回の演説は、その勢力に格好の論拠を与えた。私は、オバマの真意は其れではなかったと思うのだが。
世界の殆どの国が武力を持つ現在、少なくとも防衛のために武力を保持することを当然としてきた近代国民国家の歴史にもかんがみ、昨日提起した「理想と現実の間ざま」でどう対処すべきか簡単に答えは出ない。
ただ、「必要な戦争」と言う言葉は、やはり吐くべきではなかったのだろう。
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