昨日政府が発表した「2月月例報告」によれば、日本経済は「急速な悪化が続いており、厳しい状況」と、5ヶ月連続で基調判断を下方修正した。5ヶ月連続はITバブル崩壊後の景気後退期以来で、記録の残るうえでは過去最長に並ぶそうだ。
今後の見通しも一層暗く、個人消費の落ち込み、特にその底辺にある雇用不安が大きい。失業率は6%前後まで上昇するのではないかという見方が有力で、日本総研の主任研究員によれば「2010年初めまでに256万人の失業者が発生、個人消費を1.9%押し下げる」と予想されている。(本日付毎日新聞11面)
驚いたのは、今回の世界不況の中でも経済安定で優等生とされてきたオランダやデンマークにも、ここ3,4ヶ月の間に急激な不況が襲いかかっているということだ。
『残業ゼロ授業料ゼロで豊かな国オランダ』の著者リヒテルズ直子さんは、ブログ「オランダ 人と社会と教育と」の18日付で、「1931年以来の財政赤字と失業率急上昇の予測」と題して、急激に襲ってきた厳しい経済の先行きを憂えている。
それによれば・・・、
「08年第四四半期の統計によれば、オランダの失業率は2.7%で、ヨーロッパ域内では最低。同時点でスペイン11.8%、フランス7.7%、ドイツ7.2%、オランダに次ぐ優等生のデンマークですら3.5%だった。オランダの経済成長率は0%であったが、予算赤字はまだ0.1%であった。」ところが、09年2月17日のオランダ経済政策分析局の発表によれば、「10年の失業率は9%にまで増加、予算赤字は5.5%にまで及び、この予算赤字率は1931年並み、つまり世界大恐慌の直後の時期と同レベル」ということだ。
リヒテルズさんは、「短期間にオランダの経済予測をこれほど変えたのは、世界市場の商取引が激減していることが原因」として、先行きを次のように案じている。
「この急激な経済悪化は果たしてオランダだけのことなのでしょうか。スペインやフランス、ドイツなど、すでに高い失業率を抱えている国々は、これからどうなっていくのでしょうか・・・。優等生だったオランダが1931年レベルに後退するということは、ヨーロッパ全域を見ても、世界経済全体を見ても、本当に巨大な不況期が目の前に迫っているのではないか、と思います。」
このような大型不況は、その原因を作った者たちだけでなく、必死に働いて模範的な生き方を追い求めてきた人たちをも容赦なく襲う。
薄ら寒い思いでリヒテルズさんのブログを読んだ。
した成果を踏まえ、どうしてこの危機を乗り切るのかを考え対策すべき時代だと思います。小室直樹の言に
よれば、失業問題というのは、両経済学とも未解決の
問題。
資本側は利潤第一主義を戒め、労働はいかに生産性を上げるかにつとめて、社会の調和ある発展を図ることが出来れば、当面する不況の克服が出来るかもしれません、
その時、マル経と近経の叡智(双方の到達点)が、統一されて力を発揮するのかもしれません。
それが21世紀の経済学ではないでしょうか?
そのような状況を期待してやみません。