大津から草津までは10.7キロ。大津の町を過ぎ、膳所(ぜぜ)に入ると義仲寺があります。1184年に粟津(大津市石山寺の近く)で滅ぼされた木曽義仲の墓とその義仲を敬愛していた松尾芭蕉(1694年没)の墓があることから、訪れる人が多いお寺です。かく言う私も芭蕉が好きで4年半の京都滞在の間に3回ほど訪ねました。
旧東海道は石山、瀬戸の唐橋あたりまでは街道らしい雰囲気が残されていますが、唐橋を過ぎてから草津までの間は丘陵地域を歩くのですが、うっかりするとミスルートしかねず、地図が手放せません。広重の浮世絵は琵琶湖の港である矢橋(やばせ)への分岐点にあった「姥が餅屋」を描いたものですが、場所を特定できず、通り過ぎてしまいました。写真は「追分の道標」です。左に行けば中山道、東海道は右です。ここからは琵琶湖を離れ、道は石部宿に続きます。
今回の東海道歩きはJR東海道線の山科駅から草津駅まででした。十数キロの行程でしょうが、江戸時代の旅人は三条大橋から草津を過ぎ、石部宿位かそれ以上歩いたようです。健脚ですね。それに比べ現代人は歩きやすいウオーキングシューズを履いてこれですから、情けなくなります。