浄智寺で写したお気に入りの1枚。鎌倉七福神の布袋尊です。斜め右上からさす太陽の光が布袋さんを浮き立たせ、背後の洞窟の影と絶妙なコントラストを生じさせています。幾度もこの布袋さんを拝んでいますが、これほど際立った瞬間はありませんでした。まさに「お前はどこに行こうとしているのか。何を迷っている。こうして指し示しているのではないか。」と諭しているように見えます。その方向は総門の「宝所在近」の扁額でしょうか・・・?
禅の言葉に「宝所在近 更進一歩」というのがあります。その言葉の意味するところは、
禅には「人は生まれながらにして仏の尊い命、仏の心というべき仏性を備えもっている」との考え方があります。その仏性こそ宝所そのもの。その宝に気づかず彷徨っているのが凡夫の現実そのもの。求めるものは遠くにあるのではなく、己が境地にある。その本来具有する仏性を自分自身が見得するところに修行があり、更に進めよの精進が肝心なのだと・・・。