先日、鎌倉の寺院建築の話を聞く機会がありました。禅宗様式の建築で七堂伽藍が残されているお寺は少なく、鎌倉では建長寺、京都では妙心寺、大徳寺など日本でも数えるぐらいしかないとのことでした。鎌倉の建長寺は地元であり何時でもいけますが、京都の妙心寺の名前が上がった時は思わずニンマリ。実は昨年まで右京区谷口梅津間町に住んでいて、北門から南門までは通勤経路。妙心寺の境内は地元民にとって当たり前の生活空間でした。
写真は妙心寺の三門ですが、朱色に塗られています。恥ずかしい話ではありますが、はじめて見た時は、円覚寺の三門などの枯れた姿に見慣れていたせいか、この三門に文化財としての価値があるのかと疑問に思った次第です。三門は創建当時から朱色に塗られていたとのこと。後で知りましたが、円覚寺の三門も朱に塗られていて、今もよく見れば建物の一部に朱に塗られた痕跡があるようです。魔よけと建物の保護のためらしいですね。ただ円覚寺の三門が朱色だったら周りの景色に溶け込むかどうか、微妙です。
さてこの妙心寺ですが、清水寺や金閣・銀閣寺と違って訪れる観光客も多くなく、ゆっくりと境内を散策できます。お奨めは法堂の天井にある雲龍図の拝観。この狩野探幽作の天井画は見事です。禅僧はこの龍の下で坐禅をするのですが、堂内のどの場所で坐禅を組んでも龍の目が修行僧を睨み付けています。大きさといい、筆遣いの力強さといい、私が見た中では最高の雲龍図だと思います。京都に行く機会があれば一度訪ねてみてください。
妙心寺には京都駅から嵐山に行くJR嵯峨野線に乗り、花園駅で下車。花園駅からは5分くらいで南門に着きます。法堂に入るには拝観料がいりますが、境内は通り抜けできますので、北門から10分位歩いて妙心寺の塔頭である龍安寺を訪れ、石庭を見学。龍安寺からは仁和寺経由嵐山に行くのもよし、等持院から金閣寺に行くのもよいでしょう。ちょっと小腹の空いた方は、嵐電龍安寺駅近くにある『笑福亭』で「たぬきうどん」を召し上がってください。本くずを使ったとろみのある生姜のきいた汁にきざんだあげがのっています。天かすがのったうどんではありません。
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