老舗のプライド

私が隔月で出演していたライブハウスが

どうやら幕を降ろすらしい・・・・

悔しさで、いっぱいである。



詳細は、知らないので

あの場所から他の場所に移転して続けるのか

それとも完全に営業をやめるのか・・・・

それすら知りません。


しかし、大変だろうなぁ～とは思ってました。

やはり弾き語りと言う音楽の形態のアーティストが

４組続くのは、お客さんが

よっぽど好きでないと聴けない・・・


それでいて一人での弾き語りなんかになってしまうと

出演者が毎月のライブにお客さんを呼ぶのも大変です

長年やればやるほど・・・

すると自然と集客が悪い時が多々あるわけで・・・・

それが毎日の様に続くとなると

営業的には辛くなるかと思います。




昔、まだライブハウスが乱立していなかった頃

ライブハウスには、ステータスみたいな物がありました。

もちろん四谷コタンもそうである。

昔、都内には、ぴあに記載される様な

弾き語り系のライブハウスは

４件ぐらいしか無かった

その中でも、コタンは

トップクラスのクオリティーだったと思います。

（１軒を除き出演してる経験上の感想）

しかし、現在は、弾き語り系ではなく

アコースティック系のライブハウスが乱立しています。

私が知ってるだけでも１０数件あるし

ネットで調べれば、もっとあるはずです。




その中で、コタンは老舗のプライドを

守ってました。





『オーデション出演者募集』




私は、

色々なライブハウスのオーデションを受けました

昔は、それが当たり前でした。

しかし、時代が違うのです。


今じゃライブハウス側が

『出演してみませんか？』

のメールでの営業が普通になってきています。

適当にメールを送ってくる訳ではなく

ちゃんとリサーチして

良さそうなアーティストを集め

良い小屋にしていくのです。

その為には、もちろん売りが必要です。

料金システム、音響環境、楽屋、交通の便・・・

とにかく売りが必要なのです。


コタンの売り・・・

難しい・・・・

しかし、ある出演者が言ってました。

『あの店長じゃなかったら出演辞めてる』と・・・




コタンは、人間関係が売りの不思議な小屋です。

アットホーム故に身内に入れば

あたたかいだろうが

側から見れば・・・溶け込むのが難しいと感じる

自然と同じメンバーが、長年いつもそこに・・・



物事には、良し悪しの両面が存在してる事が多い

コタンの長所が、コタンの弱点でもあるのです。



昨年、

１０年ぶりに出演したライブハウスがありました。

すっかり変わってて・・・寂しい感じでしたが

楽屋だけは変わってなくて

１０年前の情熱を思い出しました。



そんな事が出来るのは

そこに小屋があるからです。


１０数年前、弾き語りで新宿ロフトに出演してました

その頃、ロフトは移転問題で揺れてました

しかし、お店は場所を移し

そして、より大きな小屋？ライブハウスに

生まれ変わりました。

今、出演しても何とも思わないと思います。



コタンは、私にとって苦い思い出もあります。

まだまだ自分に自信があった頃

コタン出演３回目？かな？

その当日にレコーディングの話が来ました

ギターでの参加です。

それも有名なアーティスト

フランスのクレ○○ティーヌのアルバム参加の話

今だったら、すぐに飛びつきますが

その頃は、また話は来るさ・・・と思って

『ライブの日と重なるから・・・』と

断わりました。

その頃のコタン店長は、怖かったし・・・（笑）

ドタキャンでも食らわしたら

『二度と来るなぁーー！』と

言われてた事でしょう・・・・





あの時、あの話を受けていたら

私の人生も変わっていたかもしれません。





特に、昔は『オリジナル以外歌うな！』と

言っていた人が

某プー太郎さんの替え歌で

ケラケラ笑ってる店長を見た時は

『俺のレコーディングの話・・・返せ！』と

本気で思いました・・・・（笑）




しかし、鍛えられましたよ

色々な面で・・・

だから、今の自分がいるのですから・・・


コタンが無くなっても

正直、私はライブを続けます

それは、違うライブハウスでも・・・

ライブ好きですから・・・


でも、もし、コタンがライブハウスとして

形や場所が変わっても営業するなら

出演させて頂きたいです。


　　　　　　多舞朗