購入してから彼此30年目となるこのTuba。演奏していると、どうしても内部に汚れが溜まってしまいます。
そのまま放置すると…音抜けが悪くなったり、バルブの動きが悪くなったり(最悪動かなくなるコトも)、
まぁ一番困るのが「臭くなる」コレはよろしくない。
所謂「ピストン」バルブの楽器は比較的分解も容易に出来るので、学生さんなどでも気軽に「掃除したったー!」
の様なコトも出来るんですが…
この「ロータリー 」バルブの楽器(TubaやFrench Horn等)を分解洗浄するには…
工具類、治具、何よりも経験が無いと不可能なんです。
掻い摘んで言うと…「分解出来たとしても組み付けが出来ない」「作業のミスでバルブを破損した」の様な事が起こるワケです。100万円以上するモノが一瞬の不注意でジャンク品になり得るんですね…。
なので、以降の作業は安易に真似してはいけません。私も自分の楽器を自己責任で分解洗浄しております。
基本的には管楽器リペアのお店にお願いしましょう。
…と、一応注意事項書いた上で…
バラして行きます。絶対落とさない様に…です。
バルブ本体はケミカル洗浄の上、極少量の研磨剤で摺動面以外を磨きます。やり過ぎは禁物。
楽器本体は中性洗剤で洗います。今回コチラにはケミカルは使わず。
煙突掃除的なブラシでゴシゴシするとおぞましい色の汚れが出て来ます。
一番汚れるのはマウスパイプ(リードパイプ)、息の入り口ですね。
次に汚れが溜まるのは…4つあるバルブのちょうど真ん中、2番バルブと3番を繋ぐ管…ココにも汚れが凄く溜まります。
Tuba吹きの方なら「あぁ成程ね」となる事ですが、楽器に詳しくない方に説明すると…潤滑油を注すと、管の気密を担うグリスをちょっと溶かして流してしまい、下流に辿り着いて引っ付く、そして溜まる…そんな感じです。
徹底的に水を通して濯ぎ、乾燥させます。
抜いた枝管は…
コチラはケミカルも使って洗浄…数があるので地味に面倒です。
乾燥した本体にバルブを組み付け…治具と経験が要るのはこの工程、一番緊張します。
今回はレバーも分解したので針バネで怪我もしました。油断大敵です。
大分長期に渡って使った楽器なので、抜差し管の気密が多少甘くなっているので…
セルマーの赤ジャム(割れると困るヤツ…木管吹きの方にはお馴染み)とヤマハのウルトラハードグリスを合わせて
抜差し管を組み付けます。塗り過ぎは禁物…。
そうこうしてると…
出来上がり(仮)です。この後アライメント調整があるのですが、ゴム素材(生ゴム)を切らしていたので持ち越し…
以上の作業、休憩しながら大体4時間程度で完了です。
…まぁ、実際は去年の10月に行った分解洗浄をまとめてみたカタチです。2年分の汚れは相当でした。
実は楽器本体もですが、唇に触れるマウスピースの洗浄も大事らしいです。
コレの内部(息の通り道)の汚れ…少し(薄く)付いてるだけでも相当悪さするらしいです。
毎回中性洗剤で洗ってあげましょう。というコトらしいです。
COVID-19のせいで楽団の練習が中止に…と思ってたら、事務方の皆さんの努力で今月ホール練習が3回も!
(色々厳しめの条件がついたそうですが)
5月の定期演奏会に向けて頑張ろうと思います。まぁ週末しか吹けませんが…
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