ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

クリフ・ジョーダン

2024-02-20 21:17:30 | ジャズ(ハードバップ)

本日はクリフ・ジョーダンのセルフタイトル作品をご紹介します。フルネームはクリフォード・ラコニア・ジョーダン。リヴァーサイドや他レーベルではクリフォード・ジョーダン名義で活動しており、そちらの方が通りが良いかも知れませんますが、ブルーノートに残したリーダー作は全てクリフ・ジョーダン名義ですので、ここではクリフの方で通します。決してビッグネームという訳ではありませんが、ジャズの世界で確かな足跡を残した名テナー奏者です。活動歴も意外と長く、1993年に亡くなるまでコンスタントにリーダー作を発表し続けたようです(私は60年代以降の作品はほとんど聴いたことがありませんが・・・)。元々はシカゴ出身ですが、1957年にニューヨークにやってきて、ブルーノートから3枚のリーダー作を続けて発表しました。本作はその2作目で録音年月日は1957年6月2日です。

本作ですが参加メンバーが凄いです。4管編成のセプテットでジョーダン以外のメンバーがリー・モーガン(トランペット)、カーティス・フラー(トロンボーン)、ジョン・ジェンキンス(アルト)、レイ・ブライアント(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)と言う超豪華布陣。モーガン、フラーと言ったブルーノートの看板プレイヤーたちの参加が目を引きますが、幻のアルト奏者ジェンキンスの参加も注目です。何でもジョーダンとジェンキンスはシカゴの同じハイスクールの同級生だそうです。(ちなみに同級生にはもう1人テナーのジョン・ギルモアがいて、3年先輩にジョニー・グリフィンがいたとか。一体どんな高校なんだ!)

曲は全5曲。4人の管楽器奏者が1曲ずつオリジナルを持ち寄り、残り1曲は歌モノです。1曲目のジョーダン作”Not Guilty”はくつろいだ雰囲気を持つ魅力的なミディアムチューンで、ジョーダン、フラー、ジェンキンス、ブライアントがたっぷり尺を取ってソロをリレーしていきます。なお、この曲と3曲目のフラー作”Blue Shoes”にはモーガンは参加していません。2曲目ジェンキンス作”St. John”、4曲目唯一の歌モノ"Beyond The Blue Horizon"、5曲目モーガン作”Ju-Ba”は全員が参加しますが、中でもおススメが"Beyond The Blue Horizon"。何でも1930年にジャネット・マクドナルドという歌手がヒットさせた曲らしいですが、ヴォーカルでもインストゥルメンタルでも本作以外ではあまり聞いたことがありません。ただ、旋律も十分魅力的ですし、何より演奏が素晴らしい。原曲のバラードがドライブ感たっぷりのハードバップに仕上げられており、メンバー全員が快調にソロをリレーして行きます。ズバリ名曲・名演と言って良いでしょう。

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