木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

ボーイズ・タウン・ギャング

2010年01月08日 | ポップマニア
またもや、驚きの80年代。

ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」(Can't take my eyes off you)は、当時のディスコではどこでもかかっていて、一番盛り上がる曲であった。
原曲はフランキー・ヴァリがヒットさせた、などというのは調べた結果の孫引きでしかないが、ヴァリのオリジナルは映画「ディア・ハンター」でも使われていた。

ボーイズ・タウン・ギャングというバンド名は変だな、と思ったことはあったが、ボーカルが女性でもあり、深く考えることもなかった。

しかし、このバンドはゲイの人々をターゲットに見据えたバンドだったようだ。
知らなかった!
確かにプロモーションビデオで、ひげをたくわえてバックダンサーのように歌う男性二人を見ると、いかにもそれっぽい印象を受ける。
当時のシングルジャケットではマッチョな二人の上半身裸の写真がフューチャーされ、リードシンガーであるジャクソンの写真はない。

一人の女性シンガーであるジャクソン・ムーアに、男性のバックダンサー(トム・モーレイ、ブルース・カールトン)が踊っているというグループ構成で、厳密には「バンド」とは言えないのかも知れない。
80年代にディスコで流行ったグループというのは、仕掛け人がいて、その仕掛けのもとに出来上がったグループが多かった。
ボーイズ・タウン・ギャングも大のダイアナ・ロスファンであるDJ、ビル・モトリーのアイデアの下、サンフランシスコで作られた。
当初は地方のキャバレーシンガーだったシンシア・マンレーがボーカルを務め、2代目ボーカリストにジャクソンが参加した。バックが男性4人の5人構成を経て、3人構成に落ち着いた。

ロックというのは、反社会的な意識から生まれ、発展してきた音楽であるが、MTVを中心にロック自体が「体制」に組み込まれてしまった感のある80年代にあって、そのころはまだまだ反社会的であったゲイパワーは、その逆境ゆえに、きらめくような輝きを示していた。

ジャクソン、トム、ブルースは、その後の活動についてはよく分からないが、シンシアは今も元気にナイトクラブを中心に活躍している様子である。
仕掛け人のビル・モトリーはこの大成功により、モビー・ディック・レコードなる会社を設立し、会社のヘッドとなっている。

下記にyoutube版「君の瞳に恋してる」とシンシアのHPをアップしておきました。

君の瞳に恋してる

Cynthia Manley HP

モビー・ディック・レコードHP

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (ナギ)
2019-01-01 14:53:15
「華氏65度の冬」という歌詞対訳ブログをやっている者です。今回この曲の翻訳記事を書いていて、この記事から教えて頂いたところは極めて大きいと感じましたので、リンクを貼らせて頂きました。もしご迷惑だと感じられるようでしたら、削除しますのでご一報ください。貴重な情報をありがとうございました。
返信する
ありがとうございます (木村忠啓)
2019-04-21 15:26:27
コメントありがとうございます。
長らく自分のHPを見ていなかったため、返信が遅くなり誠に申し訳ございません。
華氏65度の冬、すごいHPですね。
これからも拝見させていただきます。
返信する

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