木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

太秦ライムライトと福本清三さん

2015年02月01日 | 映画レビュー
「地元を大河ドラマの舞台に」といった活動を行っている地域は少なくない。
「八重の桜」だとか「黒田官兵衛」などのヒットを見ても分かるように、経済効果があるのだろう。
しかし、気がつくと、「水戸黄門」の放映も終わり、NHK以外で時代劇はほんの1本か、2本しか放映していない。
「時代劇ブーム」と言われているのは本当なのだろうか。
自分自身、時代小説を書いていながら、時代劇はあまり観ていなかったので、時代劇衰退の原因はよく分からない。
ただ一つ、勧善懲悪の時代劇において「正義の主人公」を演じることのできる説得力のある俳優が少なくなったことが要因の一つのように思えてならない。

「太秦ライムライト」に主演した福本清三さんは、説得力のある悪役だ。
福本清三さんがにわかに脚光を浴びだすようになったのは、「ラスト・サムライ」に出演した頃からである。
「ラスト・サムライ」は2003年の映画だから、早いものでもう10年以上も前の映画になった。
その頃はまだ、「水戸黄門」も放映されていたのだから、隔世の感がある。

脇役に徹して何十年。
どう斬られれば主役が引き立つか、を考えて稽古する毎日。
福本さんの殺陣の切れは、さすがに一流だ。
斬られたあとで、後ろにエビ反りになりながら倒れるところなど、凄い。
よほど身体が柔らかくないとできない。日頃の精進あっての所作だ。
「どこかで誰かが見ていてくれる」
福本さん自らの著書のタイトルともなった言葉が映画の中にも出て来る。
本当、そうだよなあ。
努力がすぐに認められるとは限らない。
実際は、どんなに努力しても、認められない場合の方が多い。
そんなとき、どうするのか。
諦めてしまうのか。自棄になるのか。
それとも、努力を続けるのか。
努力が、自分の思い描いていた結果を導き出してくれるときばかりではないが、夢があるなら、諦め悪く一歩一歩努力していくしかない。

ところで、映画の中で、殺陣のシーンをCG合成で撮ろうとする監督が出て来るが、本当にそんな日が来るのかもしれない。
そんなものは、時代劇とは呼びたくないが。

アメリカでも西部劇は衰退の一途のような気がするが、福本さんと、ハリウッドの最後の西部劇スター、たとえば、クリント・イーストウッドが、東京で会ってお互いに何かを感じるって映画は作れないかな。


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1 コメント

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2015-02-10 19:38:16
日本語の起源

言霊百神

kototama 100 deities
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