すそ洗い 

R60
2006年5月からの記録
ナニをしているのかよくワカラナイ

サウルの息子

2017年08月27日 | 映画・テレビ・動画

サウルの息子
2015年
ハンガリー映画

監督
ネメシュ・ラースロー

脚本
ネメシュ・ラースロー
クララ・ロワイエ

出演者
ルーリグ・ゲーザ



こんな映画があったのは昨日まで知らなんだ
昨日 ワンダーウーマンをイクスピアリで観た時 他の看板を眺めてたら 
ナチもん アウシュビッツもん ホロコーストもん とゆーことで この映画
ほへー 観とかんとなと

ホロコースト

内容とか評判とかは 観てから 検索したらええやんと
とりあえず 知らないまんま まず観とかんとな

始まったら いきなりピンボケからの長回し
最初のテロップがなかったら 映写技師のミスかいなと思うやろ
ピンボケで なにやらが蠢いていて その中の人物が近づいてきて
主役の サウルさんの動くワンシーン ワンカットが長い
素晴らしく アンダーグランンドな掴みありがとう



ホロコーストにやってきた方々を 衣服持ち物を預かって
消毒室とゆー名のガス室に送り込んで 作業 
ドンドンドンと扉壁床を叩く音と声 が生々しく大きく重い
でも  ドラマチックに悲惨さ残酷さを盛り上げたりしません
あくまでも通常勤務日常の出来事のノリで淡々と進行します 
サウルさんにピントが合った視野の狭いカメラの画角の背景の死体の山々と喧騒

頻繁に出てくる台詞は「働け!」と「部品」
ドイツの部品は731のマルタと同意語かな

そしてサウルさんが 自分の息子と思い込んだ遺体を どーのこーのする物語が始まります
始まりますが 説明や ドラマ性や愛惜は無し その次の日までの出来事を淡々と
遺体処理役の囚人の皆さんの喧騒とドイツ兵の殺伐した態度と死体の山の中
サウルさんは 死体を埋葬する正式な儀式をしたいらしく 奔走努力 
そーゆーのができる人-ラビ(司祭)を探すご様子



こーゆーやり方があるんやーとか
こーゆーのんありなんやーとか
こんなやり方が通ったんやーとか
なかなかの目新しさです 
でも あくまでも 淡々と重々しく大袈裟にはしない 
最後の最後まで
エンディングも なかなかのもん
サウルさんの唯一の笑顔が素晴らしいかったです

僕の大嫌いな どっちらけホロコースト人情エンタテーメント「シンドラーのリスト」とは
大違いです
現実の殺される方々やそれを工場作業のように淡々と作業せれる方々や
ドイツ兵の方々の実際は こーゆーよーに日常業務として淡々とやらざるをえなかったでしょう
心が死んでいるとか 感情が停止しているとゆーのは こーゆーのに近いと思います 





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ネメシュ・ラースロー(Nemes László, 1977年2月18日 - )

――作品が生まれたきっかけは。なぜゾンダーコマンドについて映画化しようと?

 ホロコースト60周年だった10年前に、初めてゾンダーコマンドの存在を知った。当時出版された彼らの手記を読み、これは非常に重要なテーマだから絶対に映像にしないといけないと思った。

――あなたの親族も収容所で亡くなっている。それはあなたにどんな影響を与えていると思うか。

 すごく答えが難しい質問だ。例えば日本人や、日本の子供たちは原爆についてどう思うのかと聞くのと、同じことだと思うから。基本的には、世界でもヨーロッパでも第二次大戦について語られる場、教えられる場がまだまだ足りないし、もっと教育していかなくてはならないと感じている。社会として、そういう問題をオープンに語っていかなければならないと思う。

――これから世代交代が進むにつれ、戦争の歴史はますます忘れられていく心配があるのでは。

 もちろんそういう方向に向かっていくのは仕方ないことだ。でも、それに抗うのは悪いことではないし、自然なことだと思う。忘れてしまうことに抵抗する人たちがいてもいいんじゃないか。

――この映画が独特なのは、カメラがひたすらサウルの表情を追い掛けるところだ。脚本の段階から考えていた?

 あのカメラワークを大前提に脚本を書いた。狙いは単純で、恐怖をどれだけ肌で感じることができるか、どれだけリアルに伝えることができるかだ。
 第三者が見たものではなく、観客が当事者になってその場にいるような雰囲気を出すことがいちばんの目的だった。つまり客観的ではなく、主観的に見せていきたかった。そうすることで観客は感情を投影し、頭の中でより鮮明にリアルに出来事を感じていく。

――「サウル」という名前は、旧約聖書に出てくるイスラエル王国の最初の王から取ったのか。

 ハンガリー語では「シャウル」だが、確かにサウルは旧約聖書に出てくる。でも最初はそこまで意識していなくて、単純に音がいいと思って選んだ。後になって、シャウルという名前には「神が与えしもの」という意味があると知り、すごくいい名前を使えたなと思っている。

――最後のサウルのしぐさに少しほっとする。ホロコーストで亡くなったすべての人に平穏を、というメッセージのように思えたが。
 
 どういう意味なのかは、見た人それぞれに考えてもらえればいい。あなたがそう捉えたのなら、そういう意図だったのかもしれない。極限状態で、地獄のような世界でも、ずっと笑っていなかった人でも、あのようなことをするというのを何となく入れてみたかっただけ。その意味を説くことはしたくないし、明確に理由を付けることもできない。

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―本作の特徴のひとつに長回しを用いた撮影が挙げられますが、その長回しをする上で、最も困難だったのはどのシーンですか?

監督:どのシーンが一番難しかったか、というのは答えるのが難しいですね。というのも、全てのシーンがとても難しかったからです。何が難しかったかと言うと、「難しくないように見せる」こと。つまり、いかに普通に見せるかということが難しかったのです。しかし、敢えて選ぶとするなら、水のシーンですね。本作には、中盤と終盤に水のシーンがありますが、機材や音響の問題があったので、最も難しかったと言えるでしょう。

―水と言えば、エンドクレジットには、レクイエムのような音楽と共に雨音が挿入されていました。これにはどんな意図があったのでしょう?

監督:あの雨音は、ひとつのコントラストなのです。劇中では、死体を燃やすシーンや、焼却炉のシーンなどで、火がたびたび登場します。火に対するものとして雨を挿入することによって、なにかを表現するというよりは、寧ろ私の本能的な部分で、火があるなら水も、というバランスの問題ですね。涙としても解釈できますが、何を表現しているかを言ってしまうのは不粋なので、あの雨音に対する解釈は観客に委ねています。ただ、人によっては火を鎮火する水と解釈したり、涙と解釈するかもしれませんね。水や火といった元素は、映画そのものがフォーカスの合っていないあやふやな、現実なのか夢なのかが判然としない状況のなかで、ひとつの枠を作る、そして本作の世界を締めるという意味において重要な意味を持っているのです。

―エキストラやスタッフの数は膨大だったと思うのですが、どれ程の規模で撮影されましたか?

監督:本作では、エキストラも非常に重要な脇役でした。監督経験のある友人に依頼して、エキストラの監督として現場に置いた結果、エキストラたちは脇役並みに、誰がどのように動くかといった指示を受けていたので、ボヤけていながらも、背後では(指示に対して)忠実に動いているのです。目に見えない部分も、しっかりと動かすという点には気を付けました。規模で言えば、エキストラの人数は、予算的にギリギリの約400人でした。

―サウル役のルーリグ・ゲーザにはどんな指示を出しましたか?

監督:彼は本能的にサウルを演じてくれました。自然ではない部分は指示を出しましたが、基本的に彼は内向的な世界を確立しているので、細かい指示はあまりしませんでした。

―監督は幼少期をパリで過ごされたとのことですが、先日に発生したISによるパリ同時多発テロに関連して、20世紀における巨悪としてのナチス、そして現在大きな問題になっているISについては、どんな考えをお持ちですか?

監督:過去と現在において、平行しているものを感じます。私は、人類が破滅に向かっていくという一種の本能を持っていると考えているのです。ISやナチスだけでなく、ソ連やボコ・ハラムなど、多くの人々を殺す集団が存在してきました。20世紀において、人類の中の狂暴性や凶悪性が最も肥大化したのが、第二次世界対戦だったのです。今回のテロに限ったことではありませんが、現在の情勢には、当時と同じような、人類が破滅に向かっていく空気や危うさ、怖さを感じています。

―地獄を描くかのような本作の撮影中、希望や光を見失わないためにはどんなことを心がけましたか?

監督:本作は「あの世」を描いているのではなく、あくまでも「この世」のある時代に、実際に起こったことを描いています。なので、地獄のようなストーリーではありますが、実際に起こったことであることを理解した上で撮影していかなければなりませんでした。息抜きをするというよりは寧ろ、全員が本作にどれだけ入り込むことができるかということを重視しました。

―『倫敦から来た男』でタル・ベーラ監督の助監督を務めてらっしゃいますが、タル・ベーラ監督からの影響は本作に現れていますか?

監督:彼から学んだことで最も重要だったのは、観客がどれほど映画に入り込むことができるようにするかということです。つまり「主役の感情や考えに、観客がどれだけ同調できるようにするか」という彼の手法には大きく影響を受けています。

(T-SITE NEWS)


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2 コメント

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ゾンダーコマンド (みき)
2017-08-29 10:29:18
「灰の記憶」もキャストがいいし、収容所の反乱を描いたもので面白かったんですが、サウルの圧倒的なリアリティと緊迫感にはかないません。
ヨーロッパでは今だにナチスものの映画が新しい視点で撮られていて、これは関係者が亡くなって今だから言えるとか、今しか発表できないとか事情があるようにも思いました。

「ヒトラーの忘れもの」もそういった作品のひとつで、捕虜になったドイツ兵がジュネーブ条約に反する地雷の撤去をやらされてた話。なかなかいい話なので、機会があったらどうぞ。

エクスピアリは「ベイビードライバー」を見に行きました。けっこう空いてて大きい劇場ですが、時々面白いのがかかるのでひいきにしようと思います。
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みき様 (よしはら)
2017-08-29 14:09:59

「ヒトラーの忘れもの」も
イクスピアリで 9月16日~9月22日でやりますね
予告編見て
行こうかどーか迷ってます 心温まり系だと厭だなーって

「灰の記憶」は見たいですね
イクスピアリでイングリッシュガーデンのどーのこーのは見る予定です
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