広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

まぎらわしい映像

2016-02-16 23:55:34 | 秋田のいろいろ
昨年発覚した、旭化成建材の杭打ち不正問題を受けて、各地で検証が行われている。
強度としては問題がない範囲では、他の業者も含めてあちこちでデータの使い回しがされていたのが発覚している。

この度、秋田市が発注した工事で、2つのデータ流用が見つかった。いずれも山形県の業者とのこと。
2つは、秋田市北部市民サービスセンター(キタスカ)の駐車場棟と秋田公立美術大学の研究棟増築。

それを伝える、ABS秋田放送のテレビニュース。
ホームページより。「news every」とあるが実際には昼のニュースの映像
現地を映したVTRでは、最初にキタスカ。建物本体からカメラを振って駐車場を映し、上の画像のようにズームしている。
これなら、視聴者は建物全体の雰囲気も、問題の駐車場棟の状況も把握できる。(建物に異常はなく、地面に打ち込まれた杭だから、こんな映像では何も分からないのだけど)

続いて、美大。
県道側の正面からサークルプラザ(広場)方向を、移動しながら引いたり寄ったりした映像でとらえている。
問題があったのは、研究棟のうち、短大から4年制化される時に増築された部分。米倉庫を転用した倉庫棟の向かい側の新屋駅寄りにあるので、正面からは他の建物の陰になって見えない。
研究棟にズームイン
見えているのは、短大時代からあった研究棟だ。(問題の増築部分はこの右奥)

しかも、研究棟とは無関係の別棟であるレストハウス(学食)が入る厚生棟のズーム映像も流された。
これは厚生棟
何も知らない人が見たら、キタスカの映像と同じく、大映しされている建物が問題の建物だと認識してしまうだろう。
直接関係ない建物を放映するのなら、せめて「資料映像」と表示するべきだろう。わざわざ現地に撮影に出向いたのなら、反対の遊歩道側やゴルフ練習場側から(いずれも敷地外・公道)撮影すれば、増築部分がバッチリ映せたのに。あるいは、きちんと許可を取って、敷地内で撮影するべきだ。
(再掲)遊歩道から。右手前が問題の研究棟増築部分
なお、秋田朝日放送では、葉っぱが茂っているシーズンに撮影された、サークルプラザ周辺や正面付近の映像に「資料映像」と表示したものを流していた。

百聞は一見にしかずの言葉通り、映像は情報を伝える便利な手段だが、使い方次第で誤解を与えてしまうものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする