石垣島で“台風時の発電”に成功
最大瞬間風速43.2mの大型台風が襲来した際にも破損することなく、併設した衛星アンテナに電力を供給しインターネット通信を継続することができた。
それはマグナス風車の設計に関するものだ。
「これまで設計していたマグナス風車は、1kW実験機の頃から3つの円筒をワンセットとした設計でした。この方式が最も効率が良い、と考えていたためです。しかし今回、この円筒を1本少なくし、2本ワンセットの構造にすることに成功しました。技術開発を突き詰めた結果、円筒2本でも十分な発電能力を発揮する構造にすることができたのです」
円筒を1本少なくすることに、どのような意味があるのだろうか?
「最大の効果はコストダウンですよね。コストがかかる円筒の数を減らすことで、費用を大幅に削減できます。さらに風車の部分が軽くなることで、より小さな風力でも風車が動くようになり、摩擦によるロスも抑えられます。つまり発電効率が上がるので、風力発電機において軽量化は良いことずくめです」