前回、100万円を年利16%で運用すると、サラリーマンが40年間働いて得る収入の2倍も稼いでしまうと聞いて「ありえね~!」って思った方は多いでしょうね。
でもアメリカの大学基金のお金だって、年利10%以上で運用されているのですから、本当にお金の話は知らないと損しちゃいます。
日本と海外では同じ金融商品でも、日本は本当に損な買わされ方をされる例を一つ。
昨年の春頃、香港の銀行に行った際ヘッジファンドのキャンペーンをやっていました。
そのファンドは世界的にも有名なMファンドで、日本でも説明会を開くと投資家が何百名も殺到するほど大人気のヘッジファンドです。
香港の街中や地下鉄構内の壁などいたる所で広告が目に留まりました。
このファンドは、たまに日本でも某大手証券会社で売られていますが、何と購入単位は300万円~500万円と普通の方には手が出せない代物だそうです。
しかし運用実績の安定性と高利回りが大人気で、富裕層や投資家には大ウケなのです。
しかしこのファンド、香港で購入すると、その内容が一変します。
購入単位は約50万円程度とかなり少額、しかも運用利回りは20%以上と日本の倍ほど配当率が違ってきます。同じ会社の同じファンドなのに、何でこんなに手取りが違うのおまけに、5年ほどは解約できませんが、元本保証の商品でもあります。
この違いは、日本の金融機関が非常に高額な手数料を差し引いているからなんです。
日本の金融機関は、民間企業でありながら赤字国債を買い支える大切な政府の協力者ですから、損させるわけにはいきません。
それで、ツケは消費者に回ってくるのです。
では、複利の話に戻りましょう。
前回の複利の力で、毎月3万円ずつ積立て、年利16%で40年間運用したらどうなるか宿題を出しました。皆さん考えてみました?
答えは驚くべき数字です。
何と12億9583万円
運用を安定的に続ける力がこの結果を生むのです。
でも、年利16%と言えば、サラ金に金を借りるような利率ですよね。
ローンを重ねると、いくら返済しても原資の返済が終わらないという話を聞きますが、その逆バージョンで、ある程度貯めていくといくら使ってもお金が減らない状況になってきますよ。
これを現実的にする複利の話で、昨年よく講演会でこんな話をしていました。
皆さんに投資の話をすると怖がって聞こうとしませんので、私はまずは元本・利息が保証された「預金」をしましょうとお勧めしたのです。
香港などの税的優遇のあるオフショア地域で銀行口座を持ち、外貨預金すれば日本のような低金利じゃありませんから、国内ファンドをするより預金で確実に利回りが取れるんです。
ちなみに昨年10月までは、ニュージーランドドルの定期預金は年利7%以上あったのです。郵貯の定期が10年で倍になると言われた利率と同じです。
現在は世界金融不安で軒並み低金利になりましたが、市場が回復してくるとまた利率が戻るでしょうからその時の参考にして下さい。
例えば、現在国民年金の掛金は月に約1万5千円です。
多くの方は、将来年金額に不安を覚え、今の政局では年金は既に破綻していると感じながら毎月支払っています。
これを、年利7%の預金に切り替え、掛け金分を40年間積立てたらどうなるでしょう?
毎月1万5千円の年金保険料をニュージーランドドルで積立定期預金にします。
答えは驚くべき数字です。
40年間の積立総額は720万円。この時の運用総資産は、何と3800万円以上
驚くべきことに、ここから定期預金を毎月20万円ずつ取り崩しても、この原資は毎年増え続けて全く減らないのです。
日本では毎月6万円程度の年金を保証するとか言っていますが、40年後に月額6万円で何ができるのでしょうか?
皆さんも、一気にお金を殖やそうとせず、複利の力を継続させ「お金を働かせる」ことを習慣付けましょう。