830話)実験林場・カササギの森

 実験林場・カササギの森は、2001年4月の着工です。大同事務所の技術顧問だった侯喜さん(故人)が、「日本の専門家からの提案を試せる自前の林場がほしい」と言い出しました。農村の緑化を応援するときは、将来の経済効果が第一になります。そうでないと、モチベーションがあがらない。

 その一方で、リピーターのツアー参加者からは「つぎつぎにちがう村にいくのもいいけど、自分が植えた木が育っていくのもみたい」という意見がありました。日中双方からでてきた希望は、1つのこととして実現できます。

 カササギの森の名称は世話人会で議論して決めました。いま中国で大面積に植えられているマツだけでなく、いろんな樹木を植え、小鳥や小動物の集う豊かな森をつくりたい、との願いをこめました。ところが、口の悪い私の友人たちは「どれがカササギの森だよ。サギの森じゃないか。どこに森がある!」というのです。

 この12年の変化を写真でみてもらいましょう。これは着工前、2000年夏の写真です。敷地の中央部の谷底に村の人が植えたポプラがありますが、それ以外のところにはまったく樹木がみられません。
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