中国の内陸部での緑化協力にかかわる報告です。
続々・黄土高原レポート
109)せき止められた黄河
母なる黄河は山西省と陝西省の境の峡谷を南下します。その流れをさかのぼると、万里の長城と交差するあたりでほぼ直角に彎曲します。そこに万家寨ダムがあり、黄河をせき止めています。
数年前の春、車で訪れました。S字カーブを繰り返し、最後に大きく曲がると、眼前にダムが現れました。第一印象は「えっ、これが黄河?」暴れ龍のイメージとかけ離れています。それでもダムの長さは4百メートル超ですから、大河であることは事実。
ダム湖の水は透明とまではいきませんが、かなり澄んでいます。上流は黄色ですから、泥はダム湖に沈澱しているのでしょう。
上流からの水量はわかりませんが、オーバーフローの量と大差ないはず。これが驚くほど少ない。ダムの下手では河底の石が顔をだし、歩いて渡れそうです。
このダムの主要な目的は黄河の水をまずは山西省の省都・太原、つぎに第2の都市・大同に供水することです。「引黄工程」といいます。プロジェクトが完成すれば山西省の深刻な水不足を解決できるとみられ、世界銀行の借款をえました。太原へは03年冬に供水がはじまっています。大同でも引黄の幹線の水路はとうに完成しましたが、水はまだきません。
黄河の「断流」や水不足が伝えられるたびに、水はくるのか、きたとしてその水を大同で使えるのか、大同を素通りして北京の水になるのではないか、人びとの心配の種は尽きません。
(2006年7月5日号)
数年前の春、車で訪れました。S字カーブを繰り返し、最後に大きく曲がると、眼前にダムが現れました。第一印象は「えっ、これが黄河?」暴れ龍のイメージとかけ離れています。それでもダムの長さは4百メートル超ですから、大河であることは事実。
ダム湖の水は透明とまではいきませんが、かなり澄んでいます。上流は黄色ですから、泥はダム湖に沈澱しているのでしょう。
上流からの水量はわかりませんが、オーバーフローの量と大差ないはず。これが驚くほど少ない。ダムの下手では河底の石が顔をだし、歩いて渡れそうです。
このダムの主要な目的は黄河の水をまずは山西省の省都・太原、つぎに第2の都市・大同に供水することです。「引黄工程」といいます。プロジェクトが完成すれば山西省の深刻な水不足を解決できるとみられ、世界銀行の借款をえました。太原へは03年冬に供水がはじまっています。大同でも引黄の幹線の水路はとうに完成しましたが、水はまだきません。
黄河の「断流」や水不足が伝えられるたびに、水はくるのか、きたとしてその水を大同で使えるのか、大同を素通りして北京の水になるのではないか、人びとの心配の種は尽きません。
(2006年7月5日号)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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大同火力発電所
http://maps.google.com/maps?f=q&hl=ja&ie=UTF8&z=15&ll=40.029948,113.291144&spn=0.011896,0.021415&t=k&om=1
大同火山群
http://maps.google.com/maps?f=q&hl=ja&ie=UTF8&z=13&ll=40.100003,113.642063&spn=0.047533,0.087376&t=k&om=1
万家寨ダム
http://maps.google.com/maps?f=q&hl=ja&ie=UTF8&z=14&ll=39.577776,111.429863&spn=0.023948,0.043688&t=k&om=1
官庁ダム
http://maps.google.com/maps?f=q&hl=ja&ie=UTF8&z=10&ll=40.33503,115.745087&spn=0.378949,0.682526&t=k&om=1
密雲ダム
http://maps.google.com/maps?f=q&hl=ja&ie=UTF8&z=11&ll=40.503358,116.946716&spn=0.189001,0.341263&t=k&om=1
Google Earthをごぞんじでないかたには、なんのことかわからないでしょうけど、人工衛星から撮影した画像でつくられた地球儀を想像してください。
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