111)市場の活況

 この15年で大きく変わったものの1つに食生活があります。とくに野菜が豊富になりました。以前は4~5月が谷間でした。前年秋に収穫し古新聞にくるんで貯蔵したハクサイもこの時期までに底を尽きます。冬が長く春の訪れが遅いので春植えの野菜がでてくるのはもっとあと。あるものといえばマメのモヤシとニンニクの芽くらい。毎日毎日、その繰り返しでした。農家では土を入れた洗面器にタマネギを植え、でてくる葉を食べたりしてましたよ。
 いまでは四季を問わず新鮮な野菜が食卓にのぼります。都市近郊の農村にはたくさんのビニール温室が建ち並びました。寒風の吹きつける北側にレンガか土の壁を建て、南側をビニールでおおって、そのなかで野菜を育てます。暖房はこの地方に豊富な石炭。交通網の整備によって他地方の野菜や果物、魚などもどんどん運び込まれてきます。
 4月下旬のある日、公設市場にでかけました。新鮮さと価格において一時期は道路わきの自由市場に遅れをとりましたが、いまでは何でもそろう商品の豊富さと安心感で客を取り戻しています。夕刻ともなると店番と客との「真剣勝負」で耳をつんざかんばかり。
 好景気にわく石炭の街・大同では賃金も上がりましたが、物価も急騰中。肉や果物はそれほどでもないけど、野菜の値上がりは急激だそう。この時期は温室で育てる野菜ですから、石炭価格の上昇がもろに影響するのでしょう。
 (2006年7月25日号)
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