中国の内陸部での緑化協力にかかわる報告です。
続々・黄土高原レポート
153)きびもち
「三十里的莜麺四十里的糕、十里的蕎麺餓断腰(サンシリダヨウミェンスーシリダガオ シーリダチャオミェンウァドワンヤオ)」は大同の農村でよく耳にする言葉です。莜麺(ヨウミェン)はハダカエンバク、糕(ガオ)はキビ(黍)のもち、蕎麺はソバです。それらを食べてどれだけ歩けるか、腹持ちの具合を比べているわけですが、中国の1里は5百メートルです。ソバは消化がいいかわりに腹持ちが悪く、5キロも歩くと腹ぺこで腰が抜けるというのです。
逆に腹持ちのいいのはキビ。精製したものは黄米といいますが、粒のまま食べることはなく、粉にひいて熱湯で練ってもちにして食べます。桃太郎のお供たちの「一つください。お供をします」の、あれですね。
糕の食べ方は二通りあります。熱湯で練ったものを蒸(ふ)かして捏(こ)ねるもの。適量を箸(はし)でねじ切ってお碗に取り、ほかのおかずと混ぜて食べます。通は歯でかまずにそのまま飲み込むそうで、江戸っ子のソバ食いと同じですね。
もう一つは油で揚げ、炸糕と呼びます。甘い餡子の入ったものは丸形、野菜の餡のものは楕円と形が決まっています。以前は農村のいちばんのごちそうで、いいお客にしか出さなかったそう。寒い地方でカロリーが不足したので、油がごちそうだったのです。糕(ガオ)と高(ガオ)の音をかけて、いいお客さんの意味も込めました。
日本や北京など中国の都会からのお客さんにも評判はとてもいいのです。とくに女性には甘い餡子(あんこ)が受けます。腹持ちのよさは食べた人が知っています。
【写真】油で揚げるキビのもち。農村でお客を接待するいちばんのごちそうだった。
(2007年11月25日号)
逆に腹持ちのいいのはキビ。精製したものは黄米といいますが、粒のまま食べることはなく、粉にひいて熱湯で練ってもちにして食べます。桃太郎のお供たちの「一つください。お供をします」の、あれですね。
糕の食べ方は二通りあります。熱湯で練ったものを蒸(ふ)かして捏(こ)ねるもの。適量を箸(はし)でねじ切ってお碗に取り、ほかのおかずと混ぜて食べます。通は歯でかまずにそのまま飲み込むそうで、江戸っ子のソバ食いと同じですね。
もう一つは油で揚げ、炸糕と呼びます。甘い餡子の入ったものは丸形、野菜の餡のものは楕円と形が決まっています。以前は農村のいちばんのごちそうで、いいお客にしか出さなかったそう。寒い地方でカロリーが不足したので、油がごちそうだったのです。糕(ガオ)と高(ガオ)の音をかけて、いいお客さんの意味も込めました。
日本や北京など中国の都会からのお客さんにも評判はとてもいいのです。とくに女性には甘い餡子(あんこ)が受けます。腹持ちのよさは食べた人が知っています。
【写真】油で揚げるキビのもち。農村でお客を接待するいちばんのごちそうだった。
(2007年11月25日号)
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