136)暖冬の悪影響

 大同は今年も暖冬で、現地からの連絡は「冬らしくありません」が挨拶がわり。ところが3月初旬になって「大雪」が降りました。広霊では平均30センチ、市内でも20センチは積もったそう。日本海側の人には笑われそうですが、これでも57年ぶりの大雪なのです。
 土壌の凍結が融けるのも早く、3月下旬には大同の北部でも植樹がはじまりました。平年より10日は早いでしょう。アンズの花が目当てのボランティアツアーがくるまえに、花が終わってしまわないかと私は心配しました。ところが4月になって寒波がつづき、結局、アンズの開花は10日も遅い4月末になりました。
 時期が遅れただけではなく、花数がいつもの1割もありません。葉の芽は枯れて黒くなり、さわるとポロポロ落ちます。3月の雪の日に凍ったそう。地元の幹部によると「雪が50センチ以上積もり、気温は零下十数度。風も強かった」とのこと。アンズは寒さに強く、普通ならそれくらいは問題にしませんが、それまでの暖かさで芽が動き出し、耐寒性が落ちていたのでしょう。被害の範囲は広く、伝統的な産地・河北省蔚県でも全滅したそう。葉芽まで枯れたのは今回が初めてで、樹勢が衰え、悪影響がつづかないか心配です。
 寒い地方ですので暖冬はありがたいと考えがちですが、こんな問題も起こります。地球温暖化は日本ではまだまだ未来形でしか語られませんが、もともと限界的な大同の農村では現在進行形です。
 【写真】暖冬で芽が動き出したあとの寒波襲来で、芽が枯れてしまったアンズ。来年以降への悪影響も心配。
 (2007年5月25日号)
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