竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

絹ごしの風と光に寒牡丹 たけし

2020-12-18 | 入選句


朝日新聞 鳥義俳壇 石倉夏生先生の選を頂きました

3席ということで

選過分な評も頂き家人から「おめでとう」と言われ照れました(笑)



毎年のようにお正月に鎌倉八幡宮へ初詣します

その折には必ず開催の

牡丹の展示会を巡覧します



絹ごしの風と光に寒牡丹 たけし

馬寄せの残る参道菊日和 たけし

2020-12-11 | 入選句


馬寄せの残る参道菊日和 たけし

朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選を頂きました
鶴岡八幡宮や日光東照宮では
流鏑馬や馬追いが古式にのっとって行われます

馬寄せは走る馬を寄せる場所のことで
初夏の農村の行事でもあったというが
ここでは境内で行われるものを言っている

句意はその馬寄場を発見して参道をすすむと
菊花の展示会が催されていた
なんとも清々しい秋の日差しであったというもの

下顎に鮭の言い分下り簗 たけし

2020-12-08 | 入選句


下顎に鮭の言い分下り簗 たけし



12月4日 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選を頂きました

黒羽町の簗終いの頃の実景

下り簗に打ち上げられている鮭を見ました

下顎がぐっと突き出ている貌に目をとらわれました



鮭も季語ですが

鮭と簗はどちらも欠かせないところです

下り簗は簗終いでもと思っていりところです

黴けむりラストノートに遺す嘘 たけし

2020-12-07 | 入選句


黴けむりラストノートに遺す嘘 たけし


村上鬼城顕彰第34回全国俳句句大会はコロナ禍の影響で
大会式典は中止、作品集が送られてきた

掲句が佐怒賀正美先生の選をいただきました

黴けぬり
この季語を知っていくつかの句を試しましたが
始めて日の目をみた感じです

ラストノートは造語ですが
読み手がエンディングノート他、それぞれに解していただければと思っています

3

健忘症なれど物知り生身魂 たけし

2020-11-20 | 入選句



健忘症なれど物知り生身魂 たけし

朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

じじいじは何でも知っている
孫たちにこう思われていたこともあったが
最近は
大丈夫?
と怪訝な顔をされることもある

生身魂 賞味期限切れの老獪を認めるほかはない

川柳ぽくなってしまったが偽りのない心境だ

健忘症は精いっぱいの矜持、認知症とは言いたくない

鰤起し月の転げる日本海 たけし

2020-11-15 | 入選句



鰤起し月の転げる日本海 たけし


第5回NHK誌上俳句大会(2020.11.02)

題詠 「本」部門 夏井いつき先生の選をいただきました



雪見吟行で新潟寺泊へ行った際の

ホテルから眺めた夜の日本海

波間に月が大きく揺れていました

冬期の月と風そして海を詠みたかったのですが

「鰤起こし」の季語を知り一句になりました

荒うちわ子の正論の丁寧語 たけし

2020-11-14 | 入選句


荒うちわ子の正論の丁寧語 たけし



第5回NHK誌上俳句大会(2020.11.02)

掲句が岩岡中正先生、夏井いつき先生の選をいただいた

いずれも佳作で秀作には届かなかったが

6人の選者のうち2人の選をいただいたのは嬉しい



子供が生意気にも親に意見する

反論できない正論である

論旨に異論はないのだが何故か素直になれない

いつもと違う言葉遣いも気になる



手にした団扇の音が早く激しいのは何故だ

間合い良くときに独唱百の虫 たけし

2020-11-07 | 入選句


間合い良くときに独唱百の虫 たけし



朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

投稿は1ケ月ほど前なので虫の声が

ほとんど夜通し聞こえていました

コンダクターのタクトのあるごとく

時に絶妙な間合いで独唱があります

合唱も悪くはないが耳をそばたてて聞きほれます

スクワットもうワンセット秋高し たけし

2020-10-31 | 入選句


スクワットもうワンセット秋高し たけし



朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選を頂きました

秋天のもと爽やかな大気のなか

スクワットをしている

今日は30回ワンセットをもうワンセット



なんとも心身が爽やかだ

初燕谷中に古き煎餅屋 たけし

2020-10-24 | 入選句


初燕谷中に古き煎餅屋 たけし



俳人協会主催の第59回全国俳句大会に掲句は入選
有馬朗人先生の選を頂いた

総応募数12.520句

予選通過句 2051句

入選 740句



入選率は5.9% なかなかの関門といえそうだ



自分の目指す俳句がまだおぼろの状態なので

入選すれば佳句とおもってしまう



孫娘の絵画の展覧会への途中いあった

煎餅屋の燕を見た実景をそのまま詠んだもの

工夫もひねりも措辞の新しさもない

これを評価されるのだから俳句は難しい、面白い、そして分からない

カタコトの嫁の日本語豊の秋 たけし

2020-10-23 | 入選句


カタコトの嫁の日本語豊の秋 たけし


2020/10/23

朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

第1席は相当以前だったので華人がよろこんでくれました



先生の過分な選評もいただきました

今秋は納得のいく俳句が出来ていなかったので救われた感じです



俳句は常に秀句が生まれることはない

秀句は100に一つもあれば上等と

分ってはいても空振りがつづくと消沈する



立ち直れる兆しだと信じることにする

東京の空にペンギン鰯雲 たけし

2020-10-16 | 入選句



東京の空にペンギン鰯雲 たけし



2020/10/16 朝日新聞栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました



池袋のサンシャインの屋上の空飛ぶペンギン

空には鰯雲

いるはずの無い鰯を追っているような



南極と東京

空と海

ありえない現実のおもしろさを詠んでみました

鰯雲もうさがさない忘れ物 たけし

2020-10-02 | 入選句


鰯雲もうさがさない忘れ物 たけし

2020./10/02 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

少年の大志
青春の野心
挫折と奮起の来し方も午後になりました
爽やかな秋の風の中
ふと見上げる空には少年期、青年期と同じ鰯雲
叶わぬものがほとんどだったものの
もうさがさない忘れ物
この措辞に句意鳴き人生の感懐をこめた

秋めくや少し大人になったふり たけし

2020-09-25 | 入選句


秋めくや少し大人になったふり たけし

朝日新聞 栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきました
身仕舞いも鷹揚だった夏が過ぎると
秋めいた気配に心身が立ち直るようだ

朝の身支度にも気を遣う
履の汚れも気にかかる
少し大人になったふり
このフレーズが気に入っている


【秋めく】 あきめく
◇「秋兆す」
本当に秋らしさを感ずるころ。8月も終わり頃になれば、目にも耳にも秋のたたずまいを感じるようになる。秋の状態になってくること全般をいう。

例句 作者
秋めくやあゝした雲の出かゝれば 池内たけし
書肆の灯にそぞろ読む書も秋めけり 杉田久女
秋めくと言ひ夕風を諾へる 稲畑汀子
庭木戸を鎖す宵々の秋めきぬ 内藤吐天
秋めきて白桃を食ふ横臥せに 森 澄雄
秋めくと思ふ貝煮る音の中 岡本 眸
秋めくとすぐ咲く花に山の風 飯田龍太

土間涼し造り酒屋に蛇の目猪口 たけし

2020-09-24 | 入選句



土間涼し造り酒屋に蛇の目猪口 たけし



角川の令和俳壇 朝妻力先生の選を頂いた

推薦5句ということで選評もうただけたのが嬉しい



現代俳句とはほど遠い作品だが

見たものをそのまま表意する俳句に救われる気持ちがする



この句は「蛇の目猪口」の発見が選者の目に留まったのだろう

こうした古来からの言葉は捨てがたいものがある



この句はある小さな句会での

席題「蛇」の即吟だった