竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

学帽に白きカバーの夏ありき たけし

2020-05-12 | 入選句


学帽に白きカバーの夏ありき たけし

2017年8月28日 毎日俳壇 大峯あきら選

2018年1月に逝去された哲学者、
僧侶で大学教、俳人という
マルチな大きい人物だった

亡くなる半年ほど前の入選作

句意はなんとも平凡で
少年時代の懐古調だけのものだが
同時代の人には共感されたのだろう

自身気に入っている句のひとつだ

ひまわり迷路何度も試す係員 たけし

2020-05-10 | 入選句


ひまわり迷路何度も試す係員 たけし

2018年9月12日 朝日新聞 栃木俳壇
石倉夏生先生の選をいただいた

昭和52年から住んでいる栃木県の野木町は
町おこしの一環として
毎年「ひまわりフェスティバル」が行われる
出店が出たり、町出身のタレントが歌ったりでにぎやかだ

なんといっても評判なのはひまわりで作った迷路だ
大人も子供も必ずトライして楽しむ
準備万端の用意を前日までに完了するが
係員は美濃越がないか、不手際がないかを何度も確認する

春の雪一本杉の一行詩 たけし

2020-04-26 | 入選句


春の雪一本杉の一行詩 たけし



角川俳句を購読している

加齢性黄斑変性症を病んでいるので

活字を読むのが苦手、縦横が直線に映らないので

活字はひとつづつ拾わないと読めない

そこでKINNDLEの電子書籍を活用している

自在に拡張機能があるのでなんとか読める次第だ



令和俳壇への投稿を続けているが

入選は波があってあまり芳しい成績ではない

今回、掲句が井上康明先生の「秀逸」を頂いた



投句用紙は巻末葉書に限られているので

ワイフに代筆を頼んでいるので、入選するとワイフが喜ぶのが嬉しい



選者が10人おられてそれぞれ、水仙句句 秀逸10句 佳作 72句を選んでいる

投句数ははかりしれないほどだと推測するが

推薦句、秀逸句であっても複数の選者に採られることは少ない


逃水や利き足変えて追いかける たけし

2020-04-25 | 入選句


逃水や利き足変えて追いかける たけし


朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました
私的には冒険の句でした

俳句は虚と実のはざかいを探って詠む
こんな風に句材を斜視してみなさい

この言葉が頭から離れない
掲句は少なからずそんな意識でできた句だが
成功したとの実感はまだ薄い

追いつくはずのない逃水を
利き足を変えたら違った結果が得られるだろうかとのはかない想い
求める道への遥かなる憧憬でもある

大凧に大見栄をきる団十郎 たけし

2020-04-23 | 入選句


大凧に大見栄をきる団十郎 たけし


2016年5月23日 下野新聞俳壇 中田亮先生の選を頂きました

栃木の地方紙で購読者も多く俳壇の人気も高い
選者は二人おられて週替わりでの選になる
それぞれの選者を指定しての投稿なのだが選者を選ぶのは難しい

投句は葉書に3句を連記する
この頃は俳句ができたら構わず投句していた
数打てば当たるだろう
そんな不届きな初学時代だったが
入選すれば素直に喜んでいた

春光や凛と墨糸寺普請 たけし

2020-04-22 | 入選句


春光や凛と墨糸寺普請 たけし

俳句歴、5年目の作品
たくさんの指南書を読み漁っていたころのもの
誰のどの本を読んでも納得して
すぐに影響を受けていた頃だった
この頃は飯田龍太に夢中だったように思う
大きな景、格調高い措辞に憧れていた

掲句は格調の高さは望めないが気に入っている作だ

2017年4月19日 産経俳壇 寺井谷子先生の選をいただきました

春一番シャッター通りの赤ポスト たけし

2020-04-21 | 入選句



春一番シャッター通りの赤ポスト たけし

2018年4月18日 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただいた
もう4年も前のものだ
この頃は実景を捉えて、季語を選択するかたちが多かったように思う

宇都宮の大通り
商店は多いのだがほとんどがシャッターを閉じていて
往年の賑わいは微塵もない

そこを吹き抜ける春の一番風
さびれた街並みに昔ながらの赤い郵便ポストがあった
時代のうつろいをしみじみと感じた

捨てられし田に豊穣の犬ふぐり たけし

2020-04-18 | 入選句



捨てられし田に豊穣の犬ふぐり たけし



2020/04/17 朝日新聞 栃木俳壇

石倉夏生先生の宴を頂きました



早朝、不定期だが週1回ほど今年25才になる孫が散歩につきあってくれている

自分にとってのこの1時間ほどの時間は

いろいろな意味で至福である



家族を顧みなかった長い時代

リタイアしてからの家族への慚愧と傾倒の働き



散歩のコースには捨田が散見されていて

その表情はさまざまだ

豊穣は本来収穫に冠する言葉だが

捨田の犬ふぐりの広がりを観て

抵抗なくこの言葉が浮かんだ



自分の老境とのひびきであったのかも知れないと思える

いくたびも天に告げ口揚雲雀 たけし

2020-04-15 | 入選句


いくたびも天に告げ口揚雲雀 たけし

2018/5/23 朝日新聞 栃木俳壇にて石倉夏生先生の選をいただいた
2階の窓からは遠く那須の山脈、男体山が臨まれる
道路を隔てた我家の前は田起こしを済ませた農地が広がっている
そして空は真っ青、雲雀が鳴いている
天に上ってはまた昇る
まるで何かを訴えているようだ
ひょっとしたら知りえた真実を告げているのかもしれない


【雲雀】 ひばり
◇「揚雲雀」(あげひばり) ◇「落雲雀」 ◇「初雲雀」 ◇「朝雲雀」 ◇「夕雲雀」 ◇「雲雀籠」 ◇「叫天子」(きょうてんし)
ヒバリ科の小鳥。春の野に最も親しまれている鳥。雀よりやや大きく、背面は黄褐色の地に黒褐色の斑がある。腹部は白い。日本各地の畑地・草原などに巣をつくり、空中高くのぼってさえずる。初雲雀。揚雲雀。落雲雀。夕雲雀。雲雀野。

例句  作者

乾きては草に沈むやゆふひばり 千代女
雲雀野に古墳乳房のごと並ぶ 宗像夕野火
巻向の野にゐて雨の揚雲雀 藤田あけ烏
くもることわすれし空のひばりかな 久保田万太郎
わが背丈以上は空や初雲雀 中村草田男
雲雀落ち天に金粉残りけり 平井照敏
雲雀より空にやすらふ峠かな 芭蕉
円墳の天より落つる雲雀かな 岩田一止
日輪にきえ入りてなくひばりかな 飯田蛇笏
雲雀野やこゝに広がる多摩河原 高浜虚子

川べりのおでんの屋台Wi-Fi可 たけし

2020-04-14 | 入選句



川べりのおでんの屋台Wi-Fi可 たけし



第27回右城墓石顕彰吉野川全国俳句大会に投句した掲句が

夏井いつき先生の選を得て入選した

選評もいただいた



新聞投句を控えて、俳句大会への投稿を心掛けようとの

今年の想いだったが

ひとつの結果がでたのが嬉しい

梅真白どこでもドアの頭陀袋 たけし

2020-04-10 | 入選句


梅真白どこでもドアの頭陀袋 たけし

2020.4.10 朝日新聞 栃木俳壇にて石倉夏生先生の選をいただきました
原句は中七が「ドコデモドア」とカタカナでしたが添削をいただきました

言葉の発生の源泉を大切にすることを教わりました
一部を変えると原語の意味が消失するのだと理解しました
また原作者への礼を失することにもなります

頭陀袋が万能だという句意をドラエモンに説明して頂き
梅見のおどる心を詠んだ句です

仏壇の鬼灯は赤今朝の作務  たけし

2020-03-25 | 入選句


仏壇の鬼灯は赤今朝の作務 たけし


仏壇での読経は毎朝かかさない
彼岸中だからというわけではないが
今朝庭から採ってきた鬼灯を供えた
ぽっと灯のようでいつもの仏壇が違って見える

俳句を始めたころの作品
新聞投句で初入選した俳句でもある
今も俳句を続けているのはこの句の手柄かもしれない

入選 2012/11/7 産経新聞 寺井谷子選

木道に上り下りや草紅葉 たけし

2020-03-13 | 入選句


木道に上り下りや草紅葉 たけし

第3回NHK誌上俳句大会
原田清正先生の選をもらった

尾瀬や日光の戦場ヶ原の木道を歩いた時の残像だ
草紅葉の頃は人も少なく
自分のペースで歩けるのがうれしい

木道に上り下り
大野原を独り占めの気分を味わったものだ

足跡を欲しがっている雪女郎 たけし

2020-03-04 | 入選句


足跡を欲しがっている雪女郎 たけし


朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

いくら努力しても
いくら人のために尽くしても
なんの痕跡ものこさない陰徳もあるのだが

認められないのは凡人には淋しい
まして雪女郎、その存在すら疑われているのだから・・・