夕暮を惜む隙なし冬げしき 支考
この季節の日暮れは最も早い頃である
空気のピンと張った人影のない景は山でも海でも
はたまた街中の灯が点る間際でもよい
はっとする美しい瞬間を作者は観ている
その景を凝視するがすぐさま闇につつまれてゆく
それを「惜しむ隙なし」と言い切った
(小林たけし)
【冬景色】 ふゆげしき
◇「冬の色」
荒涼とした冬の景色全般を指す。草木の枯れ尽くした野山や森、寒々と流れる川や凍りついた池沼、物寂しい冬の浜辺や岸壁に押し寄せる冬浪等々、様々な冬の景色がある。
例句 作者
冬景色はなやかならず親しめり 柴田白葉女
冬景の天のつつしみ地のみだれ 長倉閑山
川中に川一すぢや冬げしき 暁台
息ほそく来し階上の冬景色 ?(はた)こと