一つ濃く一つはあはれ秋燈 山口青邨
灯のひとつひとつが語っている
その家だけの喜び、悲しみ
作者は旅の途中だろうか
己の心中をも吐露しているような余剰も伺える
(小林たけし)
【秋の灯】 あきのひ
◇「秋の燈」 ◇「秋燈」(しゅうとう) ◇「秋燈」(あきともし)
秋の夜は大気が澄んでおり、灯も清明な感じが強い。静けさ、人懐かしさがある。秋の灯に照らされるのは花の淡いは、枯芝生などでわびしさが漂う。
例句 作者
秋の燈の遠くかたまるかなしさよ 富安風生
秋の灯にひらがなばかり母の文 倉田紘文
夫旅にある夜秋燈をひきよせて 山口波津女
秋の燈のいつものひとつともりたる 木下夕爾
秋燈の許に座職の座を円く 佐々木光子
急行通過駅の秋灯に石蹴りを 菊地龍三
秋の燈に母老いしかば吾も老ゆ 相馬遷子
秋の燈の糸瓜の尻に映りけり 正岡子規
秋の燈やゆかしき奈良の道具市 蕪村
五十八階全階の秋灯 辻桃子
秋灯や夫婦互に無き如く 高浜虚子
秋の燈の遠くかたまるかなしさよ 富安風生
秋の灯にひらがなばかり母の文 倉田紘文
夫旅にある夜秋燈をひきよせて 山口波津女
秋の燈のいつものひとつともりたる 木下夕爾
秋燈の許に座職の座を円く 佐々木光子
急行通過駅の秋灯に石蹴りを 菊地龍三
秋の燈に母老いしかば吾も老ゆ 相馬遷子
秋の燈の糸瓜の尻に映りけり 正岡子規
秋の燈やゆかしき奈良の道具市 蕪村
五十八階全階の秋灯 辻桃子
秋灯や夫婦互に無き如く 高浜虚子