竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

一つ濃く一つはあはれ秋燈 山口青邨

2020-10-27 | 今日の季語


一つ濃く一つはあはれ秋燈 山口青邨

灯のひとつひとつが語っている
その家だけの喜び、悲しみ
作者は旅の途中だろうか
己の心中をも吐露しているような余剰も伺える
(小林たけし)

【秋の灯】 あきのひ
◇「秋の燈」 ◇「秋燈」(しゅうとう) ◇「秋燈」(あきともし)
秋の夜は大気が澄んでおり、灯も清明な感じが強い。静けさ、人懐かしさがある。秋の灯に照らされるのは花の淡いは、枯芝生などでわびしさが漂う。

例句 作者

秋の燈の遠くかたまるかなしさよ 富安風生
秋の灯にひらがなばかり母の文 倉田紘文
夫旅にある夜秋燈をひきよせて 山口波津女

秋の燈のいつものひとつともりたる 木下夕爾
秋燈の許に座職の座を円く 佐々木光子
急行通過駅の秋灯に石蹴りを 菊地龍三
秋の燈に母老いしかば吾も老ゆ 相馬遷子
秋の燈の糸瓜の尻に映りけり 正岡子規
秋の燈やゆかしき奈良の道具市 蕪村
五十八階全階の秋灯 辻桃子
秋灯や夫婦互に無き如く 高浜虚子
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