ゆく秋のこれが吾とや水鏡 加茂達彌
秋も深まり冬がそこまで来ているような
ふと池にうつった我が影をみる
「これが私」まさかこれが自分
思ってもみなかったその変貌に驚く
自分時間の余りにも早い速度にも驚く
(小林たけし)
【行く秋】 ゆくあき
◇「秋の果」 ◇「残る秋」 ◇「去る秋」 ◇「秋の別れ」 ◇「秋の行方」 ◇「秋去る」 ◇「秋過ぐ」
秋の季節が終わること。秋を惜しむ感慨もおのずからこもっている。後ろ髪をひかれる気持ちが込められている語。
例句 作者
たましいに遅れて杖の行く秋の 橋本直
ゆく秋のわが恋唄は朱鷺挽歌 齊藤美規
ゆく秋や流れのごとく帯を解き 河野多希女
ペンキ屋の行く秋を塗る作業小屋 松原藤吉
征く秋の君描く時間が五分ある 濱田桐花
秋がゆく画鋲の痕をふりまいて 渋川京子
秋行きて胸の空洞埋められず 大谷房代
行く秋の吐く息くちびるよりぬくし 池田澄子
たましいに遅れて杖の行く秋の 橋本直
ゆく秋のわが恋唄は朱鷺挽歌 齊藤美規
ゆく秋や流れのごとく帯を解き 河野多希女
ペンキ屋の行く秋を塗る作業小屋 松原藤吉
征く秋の君描く時間が五分ある 濱田桐花
秋がゆく画鋲の痕をふりまいて 渋川京子
秋行きて胸の空洞埋められず 大谷房代
行く秋の吐く息くちびるよりぬくし 池田澄子