挿し芽せし日にはじまれり菊日誌 田島星景子
句意は明解
おそらく作者はこの挿し木が初めての経験だろう
きっと上手にできたのだろう
胸のときめきまで感じられてくる
(小林たけし)
【挿木】 さしき
植物の無性繁殖法の一。果樹・花木などの枝を切りとり、直に地に挿し根を生じさせる分栽法で、柳・茨・枳・葡萄・茶などの繁殖に利用する。挿す部分を挿穂といい、彼岸前後から八十八夜頃までに行う。
例句 作者
出そびれて家にゐる日やさし柳 永井荷風
一枝の葉の凛として挿木かな 高浜虚子
草木打つ雨の響きや挿木つく 原 石鼎
一と杓を傾け挿木をはりけり 後藤夜半
出そびれて家にゐる日やさし柳 永井荷風
一枝の葉の凛として挿木かな 高浜虚子
草木打つ雨の響きや挿木つく 原 石鼎
一と杓を傾け挿木をはりけり 後藤夜半
【接木】 つぎき
◇「接穂」 ◇「砧木」(だいぎ)
3月頃、芽の出た木を切って同類異種の木の幹に接ぎ合わせ生育させ、樹種の改良と繁殖をはかる。一般に果樹の栽培などで行われる。接ぐ方の芽や枝などを接穂、根のある方を台木という
例句 作者
湖の夕日さしゐる接木かな 山口青邨
柿接ぎし女人高野の深空あり 大峯あきら
湖の夕日さしゐる接木かな 山口青邨
柿接ぎし女人高野の深空あり 大峯あきら