フェンダーVSギブソン 読了しました。
この本も朝日新聞の書評から面白そうと思って図書館で予約しました。475ページという厚い本ですが4,5日で読了しました。
フェンダーVSギブソン 音楽の未来を変えた挑戦者たち THE BIRTH OF LOUD 大きな音はカネになる! | イアン・S・ポート, ロッキン・エノッキー, 中川 泉 |本 | 通販 | Amazonスタートアップのベンチャー VS 伝統ある老舗メーカー
レオ・フェンダー(機械オタクの技術屋) VS レス・ポール(目立ちたがり屋のギタリスト)
ライバル企業の闘いが、音楽史を変えた。
ロック産業と文化を創造した2大企業の歩みを知る!!
人間ドラマ、企業の覇権戦争を描いた傑作ノンフィクション。
※本書は、DU BOOKSより本体2,500円+税にて2021年8月に刊行されました。
■書評掲載■
・ 朝日新聞 (2021.10.30)「 「爆音の誕生」(原題)を直接には知らない若い世代による本書は、いわばこうして、過ぎ去った時代を生き直そうと試みているのだともいえるだろう。」 生井英考氏
朝日新聞の書評はこちら。
「フェンダーVSギブソン」書評 カントリーで普及 新鮮な過去|好書好日ギブソンとフェンダーといえば「レスポール」対「テレキャス」や「ストラト」で人気を二分した米メーカー。しかしヒルビリー奏者で音響マニアのレス・ポールと自分ではギターを弾けないラジオ技術者レオ・フェンダーがもとは同好の友人だった故事をはじめ、初期のエレキギター人気がカントリー音楽で広まった事情なども、改めて読むと新鮮に見えてくる。ロックの時代になってからのジョン・レノンとリッケンバッカー、エリック・クラプトンとギブソン・レスポール等々、ミュージシャンと愛器の因縁話はいまも知られるところだろう。
目次は以下の通り、たぶんギターを弾かない人やロックやポップスなどに興味のない人にとっては全然面白くない本だろう。私はどちらも興味があるので大変面白かった。特にレスポールとマリーフォードはapple musicからライブラリーに追加してしまった。ちょっと数曲聞いたけど、今でも私には新鮮で興味深い演奏だった。
この本を見るとポップスやロックの歴史がよくわかるし、ソリッドギターの発明が、ロックやポップスの世界を大きく変えたことがよく分かる。
もともとはアコースティックギターにピックアップを付けて音量を確保し、それが、ハウリングを起こして不便なので、ソリッドにしてはと考え、ソリッドギターはスティール・ギター(ハワイアンで使うもの)しかなかったのを、この本の主人公であるレスポールとレイフェンダーがソリッドギターをあみだし、現在のレスポールやストラトキャスターに至る経過がよく分かる。その後、フェンダーもギブソンも企業として紆余曲折や試練を超えていく。特にフェンダーのほうがいろいろな試練がある。
ワタシ的には、そもそもフェンダーはストラトよりもテレキャスターが最初だったんだとか、ギブソンのレスポールはっ少し経ってから生まれたんだなどの逸話が興味深かった。ポップスやロック好きで、ギター弾きの人には是非おすすめの本です。
フェンダーVSギブソン 音楽の未来を変えた挑戦者たち/Ian S. Port / イアン・S・ポート/THE BIRTH OF LOUD 大きな音はカネになる!|DU BOOKS|ディスクユニオンの出版部門<目次>
プロローグ ミュージシャンたちの代理戦争
1章 エレキはカネになる
2章 天才技術者、レオ・フェンダー
3章 誰も勝てない音を
4章 レオ・フェンダーとレス・ポールの出会い
5章 なんでも作れるって言ったよな?
6章 アーティストになったレス・ポール
7章 スタンダード・ギターの開発
8章 レス、リハビリでビグスビーのギターを手にする
9章 レス&メリーの誕生
10章 フェンダー社の好機
11章 時流をつかんだネーミングで、“テレ”キャスター登場
12章 シングルの売上チャートで4曲ランクイン
13章 何も手を打たないと、フェンダーがこの世を支配するだろう
14章 ベースをギターと同じように目立たせる
15章 テレキャスターが変えた世界
16章 おしどり夫婦の光と影
17章 フェンダー社の対抗策
18章 バディ・ホリーが手にした“快適な”ギター
19章 とどまることを知らないレスの意欲
20章 人種の境界線を曖昧に
21章 レオとランドールの対立、フェンダー社の急成長
22章 売れないレス・ポール・モデル
23章 フェンダーのイギリス上陸
24章 どうしてそんなに大きな音で演奏する必要があるんだ?
25章 若者に売れ! サーフミュージックの流行
26章 レス・ポール・モデルの失敗
27章 成功した孤独な天才技術者
28章 開発者のレガシーを伝える
29章 脇役からヒーローに! ジミ・ヘンドリクスの登場
30章 フェンダー・ベースがキャロル・ケイにもたらした成功
31章 ビートルズにリッケンバッカーを使わせ続けろ!
32章 フェンダー社、ビートルズから不評を買う
33章 フェンダー社を買収するのはどこか?
34章 音楽業界史上最大の買収劇
35章 ディランがエレキを芸術向けのツールとした日
36章 エリック・クラプトンが求めたまったく新しい音
37章 レス・ポール・モデルの復活
38章 リンダが盗んだ白のストラトキャスター
39章 楽曲の主役となったフェンダー・ベースのサウンド
40章 フェンダーと共に現れた“本物”、ジミ・ヘンドリクス
41章 ファズフェイスによる表現の拡大
42章 エレクトリック・ギターがあらゆるものを表現できた
エピローグ それぞれの人生