早春の花バトルは、2月には「ヒメリュウキンカ」がバタフライガーデンに一足早く金襴の花を輝かせた。イギリス原産ではあるが、北米では野生化していて侵略的外来種として栽培が禁止されている。金色の輝きにはほれぼれするが、プーチンの宮殿の金ぴかより控えめだ。ただし、有毒なのでその汁が皮膚に触れると炎症を起こすという。
わがガーデンは山の日陰になってしまう場所があるが、ヒメリュウキンカは耐寒性もありぴったりの植物のようだ。根は塊根で増えるそうなので、今後株分けして増やしていきたい。葉も花も光るのが魅力的なので野生化は大歓迎だ。ほかの植物は寒さと霜で生存するだけでも厳しかった。
ガーデンの外縁に、購入した「ムラサキハナナ」の種を蒔いたらなんとか花を咲いてくれた。がしかし、咲いたのは蒔いた種の1割くらいだったろうか。これのこぼれ種を期待したいが、土壌が石ころだらけなので大きな期待はできない。市街地ではもうとっくに咲いていたが、わがムラでは今が最盛期なのだ。
挿し木で育てた「レンギョウ」(モクセイ科)の花がやっと咲き出してくれた。20本以上はあるので2年後にはにぎやかになるとの皮算用をしている。彫刻家の高村光太郎の「連翹忌」が4月2日に行われている。彼のアトリエの庭にレンギョウがあり、光太郎はとりわけ気に入っていたという。
早春は、こうした花の競演で始まる。満開の桜に数万人が集まるとの報道が溢れるが、もっと身近な所でそれを満悦する静謐さが欲しい。むかし、上野公園に花見に行ったが人ばかりの混雑にうんざりしたことがあった。