思うとおりにならない野菜作り。それは天候やオラの技術の未熟さによっても大きく左右される。例年ほど収穫がうまくいかなかったキュウリの畝の跡に、インゲンの種を9月中旬に蒔く。しかしなかなか芽が出ない。成長しても病気になることが多く、収量は思うほど期待できない。試しにと、こんどはモロッコインゲンの種をあわてて蒔く。しかしそれも、ツルばかりが目立ってジャングル状態と化する。
ところどころに実もなるが収量はいま一つ。そこで、混線したツルをのんびりほどき乍ら余分の葉や枝を切っていく。えらく時間がかかるので少しづつ何回もそれを繰り返す。すると、先月下旬から次々と実が取れるようになった。時期的には遅いはずだったが、今までを挽回するかのように多収量となっている。食べきれないので近隣や知り合いにどんどん食べてもらっている。
インゲンは、丸さやと平さやとの二種類がある。モロッコは扁平の平さやだ。筋取りが少なく柔らかく甘みもある。胡麻和えや天ぷらで食べること多いが、レシピの幅は広い。
「モロッコ」の名は、昭和初期「タキイ」が商標登録したものだ。そのころ、映画の「モロッコ」(ゲイリークーパー、マレーネ・デイトリヒ主演)や「カサブランカ」(ハンフリー・ボガード、イングリッド・バーグマン主演)など、モロッコを舞台とした映画が流行したときでもあった。「タキイ」の時代感覚の先見性?の名残が名前となっている。