世の中は暗いニュース満載だ。ノーベル賞をもらった被団協受賞の意味は大きいが、政府がいまだに核廃棄に後ろ向きなのは戦後政治を経済成長神話路線をいまだ払拭できない象徴とも言える。「平和より金」路線が国民の頽廃と劣化を促進してとどまることを知らない日々だ。
平安貴族の権力者は和歌を産み出す感性が問われた。戦国・室町時代では能・茶道・書道などに精通していることが指導者のステータスだった。江戸になると、庶民が浄瑠璃・歌舞伎・自然崇拝・人情などで自らを鼓舞した。それらが日本文化の基層となってきた。しかしそれが現代では解体過程にある。だから、内田樹氏ではないが、あえて身近な花を探そうとわが園内を歩いてみた。意外だったのは、アジサイの「墨田の花火」の花だった。一年中花を見られる優れものだ。夏にも秋にも冬にも花を見せてくれる園芸種だが心強い。
アジサイの木は３０本近くはあるが、そのほとんどは挿し木で増やしたもので、管理が悪く品種がわからないものが多くなってしまった。さすがにこの数日の霜で葉も花も萎れてしまった。
茶畑を伐根したら凄まじい勢いで芽を出してきたのが「ノリウツギ」だった。花は数カ月は持つのがいい。今は当初のみずみずしい純白の花は退化しているが桜のように散るのを見たことがない。
ネットで入手した「シロバナタンポポ」の綿毛を埋めたら、１本だけ花が咲いた。ここ数年そこから白い花を見せてくれる。もっと増やしたいが、遠慮がちな日本在来種である。
ジャングル状態の花壇にもかかわらず、今年もそこそこ花を見せてくれる「カンツバキ」。背の高さも１mくらいにはなってきた。肥料をやっていないのに毎年しっかり花をつけてくれるのに頭が下がる。
葉が病気になってしまったが、いつもどおり花を見せてくれた「アケボノソウ」。プランターで栽培しているがほぼ放任甚だしい。それでも律儀に毎年花を咲かせてくれる生命力にホッとする。来年には地植えで増やしていきたい。かように、冬でもちらほらと花を見られるのはうれしい限りだ。
