山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

雨の雲上の山里を往く

2020-01-18 18:02:12 | 旅行・散策

 小雨が降るなか、春野町砂川集落の散策会を強行する。参加者は半分の15名になってしまったが、大半は顔見知りのツワモノ揃い。「同窓会だね」と笑いながら雨を跳ね返す。集落の中心部から山を見ると見事な雲海が「山水画」を描いていた。

 

 雨が降っているからこそ見られた眺望だ。これを見られただけで目的は達したと負け惜しみを言う。集落内を歩きながら、宇野茶園をめざす。茶園内の作業場でお茶をたしなむグループとその周辺散策と丸太を引き揚げる林業体験のグループに分かれ、途中で交代する。

           

 途中で、「うの茶園」の子どもが書いた習字と元旦発行の「茶今日しんぶん」が貼ってあった。「限界突破」はまさにうの茶園の本意が出ている。新聞には、温暖化の現実に対して「次世代に責任をもてる社会へ舵を切れる年にしたい」と新年の決意を語っていた。 

 また、M・エンデの言葉「経済の原理は友愛である」という言葉を紹介していた。それは、世の中全体の拝金主義に対して、茶園の維持・管理に近隣からのさりげない支えがある経験から、金の有無だけではない暮らしの可能性を強調している。    

  

 そして、子どもたちとテーマパークに行くより自分が住んでいる山里を散歩する魅力を語り、「優しい人と語らい、ここで採れた食べものに舌鼓を打ち、薪の火で温まる。確かな幸せがここにはある」と宣言する。画像中央にうの茶園の自宅がうっすら見えた。

            

 次に向かったのは、有機栽培茶を提唱して集落全体の取り組みに貢献した「八蔵園(ヤゾウエン)」を訪れる。とっくにお昼を過ぎてしまったが、干し芋を食べながら有機茶のコクを堪能し、お代りを何回もいただく。有機茶栽培に至った過程を鈴木さんに説明してもらい、それに共感した若者が続々入植してきた実績も見逃せない。

 帰りに、有機茶や生シイタケなどを買い求めて散会となった。これらを総合的にプロジュースした事業家・「熊の親子」の杉山さんの赤字覚悟の企画が光っている。自分の商売の利益だけではない地域全体の魅力を紹介することで地域を活性化しようとする心意気が素晴らしい。それをちょっぴりお手伝いできたことが何よりもうれしい。そしてまた、懐かしい顔ぶれに再会できたこともなによりだ。

    

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