今年の短い秋は昆虫が少ないというのが実感だ。とくにアゲハチョウ類が少ないし、ミツバチはさらに著しい。もちろん、花自体がいつもより少なかったこともある。気候変動のせいか自然界の微妙な感性がうごめいているような気配がある。
そこへ、わが駐車場のコンクリート面にのそのそと「フクラスズメ」の幼虫が歩いていた。いつもは、イラクサ科の葉に集団でいてモソモソ食べているはずだが。それを邪魔すると体を震わせて威嚇してくる。しかも集団で動くから枝全体が突然揺れ出すから異様だ。人間を恐れず気性が荒い。「そっちにはイラクサも葉っぱ類もないよ」と教えたけど、振り向きもせずまっすぐ歩いていく。
幼虫の顔は黒いヘルメットをしているような頭部が不気味だ。フクラスズメの体はじつにポップな模様がある。幼虫の背中の前方の模様には、いくつかのおじさんの顔を発見できる。お尻の方にはおじさんの顔は一人しか確認できなかった。こんなことは図鑑には載っていない。とは言っても、模様は個体によって多様であるということだね、きっと。
ニンジンの畝に行っていた和宮様が、「キアゲハの幼虫がこんなにいたのじゃ。前回もこのくらい捕まえたばかりなのに」と籠いっぱいのキアゲハの幼虫を捕獲してきて、ため息をつく。約20頭の幼虫がいた。 畝全体に蔽いをしないとニンジンの葉っぱが見事に無くなってしまう。すると、ニンジン本体は成長を止めてしまう。プロ農家はいったいどういう対策をしているのだろうか。
夜には、巨大な蚊の形をした「ガガンポ」らしき虫がわが家に来ていた。足が長く、羽にはまだらな模様があった。この画像と同じものはまだ確認できていない。ガガンポの種類は意外に多いのに、刺されることもないので研究が遅れているようだ。
同じように、バナナを食らいついている「アメバチ」(ヒメバチ科)もいた。一見、華奢に見えるが親は蛾の幼虫に産卵する。幼虫はそこに寄生するばかりか、宿主を食い尽くしてしまうしたたか者だ。以前、ブログにも紹介したものと種類と同じかどうかはわからないが、飴色のスリムな体は見事だ。