またまたまた、和宮様からの緊急事態宣言が発せられた。いつものように、カメラを持って何事かと現場に駆けつける。「あれに見えるは犬ではなく、狐ではないかと思うが、いかがなものか吟味せよ」と宣う。
50m先くらいに焦点を当ててカメラを向けていたら、眼があってしまったような気がする。どうやら、向かいの家の生ゴミ所に来たらしい。顔を見ると犬に見える。犬なら全く問題ないが、キツネだと野菜の実りを持っていかれてしまう。
しかし、横顔を見るとキツネに見える。キツネを画像で捉えるのは初めてのことだ。ふだんは一瞬では目撃したものの、逃げ足の速さにはかなわない。「ホンドキツネ」には、腹・頬・尻尾に白い毛がある。和宮様はふさふさの尻尾を見たという。間違いなくキツネだ。
群れを作らないアウトローのきつねは、環境に対する適応力・学習能力・運動能力に優れている。夜間でも昼間でも餌の確保に活動できる。物語に出てくるキツネはいずれも賢いか、悪賢い。いずれにせよ、野菜を食べられないよう注意する時期が来たことは間違いない。
ついでに、手持ちの図鑑でキツネのつく植物は4件、キノコは7件あった。タヌキのつく植物は4件、キノコは1件だった。この違いはどう見たらよいのだろうか。それほどに、この両者は人間生活にとって身近な存在だったということには違いない。