山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

お寺の入口に庚申塔!

2020-02-28 08:21:49 | 石仏・石造物

 ぷらぷらウォーキングしていたら、とあるお寺の入口に庚申塔が鎮座していた。正面にはお地蔵さんが彫られていた。足元には三猿がいた。つまり、道教の庚申信仰と神道・儒教の三猿の教えが仏教のお寺で混淆しているという、典型的で日本的な神仏混淆の象徴を見つけたというわけだ。石塔の一番下には、ムラの名前と奉納した有志8人の名前が彫られているが解読できない。

       

 地蔵菩薩の表情は慈悲深いというか、新人地蔵のような親しみやすい表情がいい。右側には「南無庚申奉供養者也」と明記してあった。左側の文字は解読が難しかったが「寛政十二庚申○○○十一月四日」と読み込んでみた。おそらく江戸後期1800年ころの石仏と考えられる。石塔全体の形は、板状駒型で正面頭部には出っ張りがあり、梵字が見られる。駒形の石塔のなかに舟形のラインを引き、その中に菩薩を配置しているのも珍しい。

           

 神道では祭神が「猿田彦」であることもあり、石仏に三猿が彫られることが少なくない。この三猿の「不見、不聞、不言」の教えは論語からの引用らしい。8世紀に天台宗系の留学僧が日本に持ち帰ったようだ。相手や自分にとって悪いことは見ない・聴かない・言わないという世俗的な道徳律。これは権力にとっても都合いいが、今のおとなしい日本人の所作にも影響しているように思える。

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