ゑんぢんぶろぐ

のんきそうには見えますが頭の中は不安で一杯。あまり過大な期待と責任は負わせない方が互いにとって身の為です。いやマジで。

シリーズ「読了」

2024年11月25日 19時08分44秒 | 読書
「新 謎解きはディナーのあとで」
著者:東川篤哉

 著者まとめページっ資料室(仮):「東川篤哉」

著者の人気シリーズがちょこっと?リニューアルして帰って来た。
またまた歯噛みしたり振り回されたりする刑事・麗子お嬢様。対して執事・影山の毒舌が若干ひねくれて来ているような気がするぞww

・風祭警部の帰還
 …大騒動の末ヌルっと左遷(?)されていたあの風祭警部、復活(正直その顛末は記憶にないが←←)。
  麗子はまたしてもトンデモ上司に引っ掻き回されることに。ついでに?別方向にアサッテな後輩まで加わって…。
  意外と大雑把なトリックだな(大変失礼)…と思いきや、サラッと流した小ネタが実は…なトドメが秀逸。

・ 血文字は密室の中
 …わりと蔑ろにされがちな「◯◯にする理由」…ここに手を加えた作品も多いが、本作はさらに少しヒネってある。
  「本格ミステリ」の王道△△がメインかと思わせておいて…?

・墜落死体はどこから
 …赤川次郎の「あの」大ネタ、あるいは新本格のゴッドファーザー・島田荘司の怪作「▢/▢の◎人」を彷彿とさせる現場(ネタバレ防止フィルター稼働)。
  たまに見る××殺人…コレをもっと上手に処理する方法はないもんか?…とは言えもっと些細な理由で現実世界でも事件が起こってるしねぇ。
  風祭警部恒例の妄言←かと思ったら…意外にもそのものズバリなアレだったでござる。案外マジで鋭いのかこのオッサン←ヒドすぎるw

・五つの目覚まし時計
 …で、この短編だ。
  世間話じみたウダ話が鮮やかな伏線と化して急浮上してくる。本短編集の中ではぶっちぎりのインパクト。これは見事。
  誰もが知っている、或いはやっている、のにまさかの往復ビンタみたいな(ちょっとよくわからない)。畳みかけるロジック、白々しい小芝居←、繰り返される天丼←←…。
  とても満足度の高い一編。

・煙草二本分のアリバイ
 …タイトルに引っ掛かるとなかなか目が届かない所に「言われてみれば」な大きな仕掛けが堂々と置いてあるw
  普段何気なくやっている仕草、意図せずに流れで変化させる行動…日常では「視界の外」にある物事に大きな意味が生まれる。
  執事・影山の一言でガラリと変わるまさにコペルニクス的転換。

  後半の二作品はサプライズな瞬間が存分に味わえる傑作となっている。

・若宮刑事に倫理観はあるのか?
 …文庫版のみ収録される短めの短編(?)。アサッテな行動が目立つ新米刑事・若宮が見た「麗子とは異なる視点」とは?
  これまた日常よく目にする光景をほんの少しヒネッたら、ちょっと面白い齟齬が見えてきた。


◎謎解きはディナーのあとでシリーズ

 っ「謎解きはディナーのあとで ベスト版」
 っ「謎解きはディナーのあとで3」
 っ「謎解きはディナーのあとで2」
 っ「謎解きはディナーのあとで」

「満足度:◎」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

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