よろず戯言

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ジブリの大博覧会展

2019-07-03 19:46:57 | アート・文化

福岡市博物館

 

今年の3月から福岡市博物館で開催されていた特別展、

ジブリの大博覧会 ~ナウシカからマーニーまで~”を見てきた。

スタジオジブリ30年の軌跡、最初の長編アニメ作品、風の谷のナウシカから、

最新の長編アニメ作品、思い出のマーニーまで、それらに関わる様々な資料が一同に展示されるという、

ジブリファンにとっては夢のような展覧会。

 

 

近年の作品はほとんど観ていないけれど、

ナウシカやラピュタ、魔女の宅急便や平成狸合戦ぽんぽこなど、昔の作品は大好きである。

特にラピュタは初めて観た中学生の頃、ラピュタが崩壊していくあの細かい描写に感銘を受け、

教科書にすごく細かいペラペラマンガを作成してささやかに対抗していたほど。

高校に入るまでは本気でアニメに携わる仕事を目指していた。

 

 

そんなだから、今回の展覧会は見に行かないわけにはいかない。

しかし、会期が長く、会場もやや遠くて行くのが面倒な場所だったものだから、

まだいいや・・・ゴールデンウィークはごった返すだろうから、その後でいいや・・・、

ああだこうだ理由を付けて先送りにしていたら、あっという間に会期終了が迫って来た。

重い腰を上げ、慌てて見に行ったのは終了5日前のことだった。

 

場所は福岡市早良区百道浜。

福岡タワーや福岡ドームが並ぶ海沿いの場所。

自分の住んでいる場所からだと天神より先になり、ちょっと面倒くさくて時間もかかる。

少し悩んだが、通行料金を惜しまず都市高速で行くことにした。

粕屋から都市高を使えば、百道浜なんぞあっという間だ。

 

 

博物館の前の通りは、サザエさん通りと名付けられている。

作者の長谷川町子氏が、ここ百道浜の海岸を散歩中に、

魚介類の名前の家族の物語、サザエさんを思いついたという。

 

そうして到着した福岡市博物館。

警備員の誘導に従って駐車場に車を入れるも、スペースがまったく開いてない!

ぐるぐるやって、どこか空くのを待ってもいいが、そんなことをしているであろう車が他にも数台。

しかも自分の後からも、どんどん車が入ってくる。

おいおい警備員、駐車場が満車だって気付いていないのか?

これじゃらちが明かないし、時間がもったいない。

 

けっきょく外に出て福岡タワーまで戻り、そこの地下駐車場に車を止めた。

そこから徒歩で5分ほどだったか、あらためて福岡市美術館へとやって来た。

そのころには駐車場入口に満車のプレートが掲げられ、警備員が入ろうとする車を拒んでいた。

この盛況ぶりはやっぱりジブリかな?

平日に来たのだが、まさかね・・・?

 

北九州市にある、いのちのたび博物館や、

太宰府市にある九州国立博物館には何度か行ったことがあるが、

この福岡市博物館は初めて。

正面入口、その左右に並ぶ巨大なブロンズ像?に驚く。

古代ギリシャかローマか?

戦いの神のような、盾と武器を持った男女が並ぶ。

盾を装備していながら、半裸でおっぱい丸出しとか、よく解らない出で立ちだったりする。

 

  

台座を除いても3mくらいあったであろう巨大な像。

向かって右に女性が二体、左に男性が二体、計四体が並ぶ。

野郎はどうでもいいやと写真に収めなかった。

 

荘厳な雰囲気の入口に、少し驚きつつ中へと入る。

うおっ!

いきなり目に飛び込んできたのは、巨大な飛空挺?!の模型とジオラマだ。

博物館の広いエントランスホールに、そのセットが設置されていた。

ラピュタのオープニングに登場する、無数のプロペラとフラップが備えられた巨大船。

その下部には、ナウシカに登場したペジテのような街並みのジオラマがある。

さらに巨大船の上空には、大小様々な飛行機がびっしり!

ここはまだ展示会場ではないので撮影は自由。

スマフォやタブレットで多くの人がそれを撮影していた。

その巨大船をバックに記念撮影をしているひとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

模型の元になった巨大船、天空の城ラピュタのオープニングに一瞬だけ登場するシーン。

 

巨大船のプロペラやフラップはきちんと動いており、

さらにその巨体が一定の間隔で上下している。

もっとも上に上がったときは、他の小型船と同じくらいの高さまで上昇し、

もっとも下がったときは、町のジオラマすれすれまで降りてくる。

こんなものをデザインした宮崎駿氏に脱帽するが、

それを立体化し、こんな模型を作りあげてしまう技術にも脱帽する。

日本人の物づくりの技術って凄いなと、つくづく感動する。

 

 

展示場入口

 

チケットを購入し、いよいよ入場する。

平日だというのに凄い人だかり。

中に入ると、さらに人がひしめいていた。

ああ・・・こりゃ、じっくり見られないな・・・そう思った。

 

入口で手渡された展示場の案内図。

 

老若男女ごった返す。

ジブリということで、小さな子どもを連れて来ている親も。

しかしだ・・・ジブリといえど、博物館で開催されている展覧会だぞ。

小学生ならば解るが、未就学児を連れてくるんじゃない!

しかもベビーカーが禁止で、抱っこが必要な乳飲み子まで連れて来て、どういうつもりなんだろう?

 

各作品の独特なキャッチコピー、あれ糸井重里氏が考えていたんだな。

知らなかった・・・。

糸井重里氏といえば、となりのトトロでの、さつきとめいのお父さんの声。

当初シロウト丸出しで違和感バリバリだったけれど、

今じゃあのお父さんの声、あれじゃなきゃダメだ。

 

入ってすぐの場所、展覧会のあいさつが書かれたパネル。

その脇に、宮崎駿,高畑勲、そして鈴木敏夫、三氏が並んだ小さなモノクロ写真が飾られていた。

「このおじちゃんが、トトロとかを作ったひとなのよ~。」

それを指さして説明する、若いお母さん。

「しんだん?」

「まだいきてるよ~、こっちのおじちゃんはしんじゃったけどね~。」

いや、3~4歳くらいの女の子に、そんな説明したって・・・。

まだ裏方なんか説明しても興味もクソもねえだろ。

 

手書きのロゴやキャッチコピーなど。

あのナウシカの“おわり”は、味があるよなあ。

 

まずはバーのカウンターのような場所でトトロがお出迎え。

カウンターの奥には、耳をすませば/猫の恩返しのバロンが。

ポルコの愛機の模型も飾られていた。

その奥の薄暗い階段の先には、まっくろくろすけこと、ススワタリが潜んでいる。

ファンをニヤリとさせる、人気キャラクター達がお出迎え。

 

海がきこえると、On Your Markだけ観たことないや。

 

次のブースには1984年の風の谷のナウシカから、

2014年の思い出のマーニーまで、これまでの作品のポスターが一同に並ぶ。

ナウシカ,ラピュタ,トトロ,火垂の墓,魔女の宅急便,おもひでぽろぽろ,紅の豚・・・。

どれもこれも中学生から高校生まで、観て衝撃を受けた作品ばかり。

火垂の墓なんて、中学のとき視聴覚室で見せられて号泣した。

紅の豚だけは、当時まだ若くて理解できなかった。

大人になって観返すと、なるほど面白い映画なんだと解った。

 

ゲド戦機,アリエッティ,コクリコ坂,風立ちぬ,マーニーは観ていない。

となりの山田くん,ハウル,ポニョは最初から最後までちゃんと観ていない。

 

資料の展示はさらに続く。

キャラクターデザインのラフ画や絵コンテ、

手書きのスケジュール表から、コンセプトを箇条書きした資料まで、

なかにはなんでもないラクガキのようなものまであって、それが重要なメモだったりして、

アニメ制作現場というか、スタジオジブリの和気あいあいとした雰囲気を想像させられる。

ただ、アニメ制作に携わっている人たちの証言を聞くに、実際は地獄なんだろうけどね。

 

 

 

  

ポスターや新聞広告,販促グッズなどの展示が並ぶ。

時代の流れとともに、そのスタイルが移ろいでいくのも判って面白い。

 

しかしだ・・・。

こういった資料こそ、一点一点じっくりと見ていきたい。

なのに、それがごった返すひとで叶わない。

これが単に混雑していて、思うように鑑賞できないのならばまだいい。

ガキですよ!

ポスターじゃなくて、絵コンテとか文字だけの資料なんて、小さい子どもが大人しく見ていられるわけがない。

当然ぐずりだしたり、親に「はやくつぎいこー!」と大きな声で急かしたりする。

親は自分が見たいものだから、そんな子どもを無視して周りへの迷惑を考えない。

まったく・・・。

 

実物大のポニョが目を引く、ジブリの倉庫。

天井には、無数のポニョの妹達?が。

 

膨大な資料の展示を後にすると、ジブリの倉庫なる場所へ。

これまでに販売してきたグッズや書籍、会報誌などがびっしりと展示されている。

展示というよりは、倉庫と銘打っているように、単に商品を並べているだけ。

フィギュアなんかをひとつひとつじっくり見たかったが、やっぱり人が多くてそれができない。

実物大とおぼしき、半分ヒトで半分魚状態のポニョの模型がここでお出迎え。

いや、実際こんなの居たら気持ち悪いだろ。

以外とデカいなと思ったが、

相手の男の子(ソウスケだっけ?)と釣り合わせるには、これくらいの大きさが妥当か。

 

 

 

そして次は真っ暗な部屋。

ここはより人がごった返していた。

実物大のねこバスだ!

実際に乗ることができ、記念撮影もできる。

なので、親子連れがその順番待ちで大賑わい。

おっさんも、あのフカフカの車内を体験してみたかったが、そこはグッと我慢して通り過ぎた。

 

 

行き先が「ふくおか」になっていた。

今、沖縄でやってるそうなので、「おきなわ」になっているのかな?

 

ねこバスを過ぎると、タイガーモス号の大きなフィギュアがお出迎え。

天空の城ラピュタに登場した、海賊たちの母船だ。

夜空を飛行するシーンを再現していて、

“キュインキュイン・・”という、あの独特な音もどこからか鳴らされていた。

雲海の上を飛んでいるから、コットンで無数の雲も作られていたのだが、

その手前が無残にもむしり取られている。

「さわらないでね~!」

「さわっちゃだめだよ~!!」

隅にいたスタッフが注意する。

小さな子どもが柵の外から手を伸ばし、綿をむしり取っているのだ。

一緒に居る親も注意しない。

何度も言う、ガキを連れてくるんじゃねえよと。

 

タイガーモス号のフィギュア、50cmはあったと思う。

スケールどれくらいなんだろう?

 

タイガーモス号を過ぎると、飛行機の歴史のパネル。

宮崎氏が飛行機(とりわけ戦闘機)マニアということもあり、

ライト兄弟から第二次世界大戦の戦闘機まで、年表のようにパネルが展示されていた。

途中、紅の豚や、風立ちぬの飛行機も挟まれていた。

それぞれの作品に登場した飛行機が、大体どの年代のものなのかが判る。

 

 

 

ラストはメインイベント。

真っ暗な部屋で、不気味に光る実物大の腐海の森と昆虫たちがお出迎え。

王蟲をはじめ、ウシアブやヘビケラなどの昆虫から腐海の植物、ムシゴヤシまで、

1/1スケールの腐海に突入し、ナウシカの世界を疑似体験。

実物大で4mくらいしかない王蟲は、このサイズだとまだまだ幼体だろうか?

目が青や赤に一定の間隔でぼんやりと光る。

 

 

ムシゴヤシは巨大な冬虫夏草みたいなものか?

ヘビケラはアスベルを襲った長い空飛ぶムカデみたいなヤツ。

こんなのに襲われたら死を覚悟するしかない。

 

  

ウシアブはトルメキアの大型船が墜落するきっかけになった虫。

生き残った一匹を、ナウシカが虫笛でなだめて森に返した。

ミノネズミは集団でアスベルに襲い掛かった虫。

たまらずアスベルは崖から飛び降りるが、いやこんなのに襲われたら飛び降りるわな。

 

しかし、このブースの入口で泣き叫ぶ子どもたちが多数。

そりゃそうだろう。

いくら親と一緒でも、こんなとこ小さな子どもが入れるわけがない。

ラジオやテレビで、先に行った人たちが、小さい子どもを連れていくときは、

ここで泣くから注意するよう、前々から呼び掛けていたが、

それでもなお連れてくる親が絶えないのだろう。

自分は利用しないから判らないが、きっとSNSなんかでも広く注意されていたに違いない。

しかしここを通らなきゃ出口まで行けない。

仕方なく泣き叫ぶ子どもを抱っこして駆け抜けるお父さんの姿。

 

ジブリだからと、良かれと思って子どもを連れて来ているのだろうが、よくよく考えて欲しい。

アニメといえど、ほとんどが大人向けの作品だろう。

完全に子ども向けと言えるのは、トトロとポニョくらい。

他の作品はどう考えても、小学校高学年以降だ。

正直、未就学児を連れていくべき展覧会ではない。

若い親御さんばかりに思えたが、自分と同世代とおぼしき親御さんも見受けられた。

どこかのショッピングモールや公民館でやってる、ゆるいアニメ展覧会とは違うのだ。

子どもを連れていくのなら、アンパンマンやしまじろう限定で頼むよ。

 

チラシをよく見ると、「ネコバスもくるよ!」「トトロもいるよ!」って・・・。

こんな書かれ方すると、そりゃ親御さんも小さい子ども連れてっちゃうわな・・・。

 

出口の壁には、「おわり」とあの手書きの一文。

そして、ナウシカのゴーグル付きのマスクと、芽吹いた一本の木の芽が。

ああ・・・ゆっくりじっくり見られなかったけれど、いい展覧会だった。

 

展示室を出て、お待ちかね、グッズの売店へ。

ところがここも人でごった返していて、思うように買い物ができない。

自分の子どもらや甥姪に土産でもと思ったが、ステーショナリーのコーナーなどは、

おばちゃんや子どもらがひしめいていて、おっさんが入りこめる余地はない。

ここでも売り物のぬいぐるみを投げたりして遊ぶクソガキが多数。

それを買うならまだしも、その辺に置いて行く。

親はなんで注意しないかね?

 

 

購入したパンフレットとクリアファイル。

 

グッズをじっくり見ることもできず、とりあえずパンフレットと、

クリアファイル4点を手に取ってレジの列に並ぶ。

この列が凄いことになっていて、20分近く待ったのではなかろうか?

数年前に甥っ子を連れて行った、トミカ博の列に比べればまだ大したことはなかった。 

もっとTシャツやらタオルやら、画集なんかが欲しかったけれど、

とにかく人ごみが嫌いだから早いとこ抜け出したかった。

 

パンフレットもクリアファイルも価格がやけに良心的だった。 

 

博物館を出て、そのまま1・2km先にある昨秋新しくできたばかりの商業施設、マークイズへと向かう。

今回のジブリの大博覧会に合わせて、そこにも大きな展示物があるのだ。

マークイズにも一度行ってみたかったし、ちょうどいい。

そうそう、九州発上陸した金沢の旨い寿司店が入っているから、ランチはそこに決めた!

歩くこと20分ほどだったか、マークイズに到着。

案外小じんまりとした施設なのね。

まあ福岡の中心部、巨大な施設より、これくらいの規模の方が利用しやすいかもしれない。

 

 

その中央付近のエントランス。

ラピュタの撮影ブースがどーんとあった。

天空の城ラピュタのオープニングが再現されていた。

地下の炭坑,地上の採掘現場,そして巨大な風車と空を飛ぶ無数の飛行機。

さらに雲よりもはるか上空に、天空の城ラピュタ。

ラピュタの真下で記念撮影ができるようになっていて、

正面からだと、それぞれが立体的に見えて、真下のドーム状になっている部分に入れば、

雲の中からラピュタの影を見られるという、なかなか凝った作りになっていた。

記念撮影している親子連れらが絶え間なく、中に入るのは断念した。

 

 

 

さて、ランチですよ。

マークイズに来たのは、このラピュタオブジェともうひとつ目的が。

九州発上陸という、金沢まいもん寿司!

九州だと北陸の海の幸って、なかなか味わう機会がない。

白エビはじめ、甘エビ,赤エビ,のどぐろ,そしてホタルイカなど、魅力的な海の幸がいっぱい。

がっつり腹ペコ状態で、店の前に到着。

平日の昼さがり、店内を見るに並ばずにすぐ入れそうだ。

しかしメニューを見て驚愕する。

 

・・・・。

590円・・690円・・780円・・・。

そりゃそうだわな、いくら回転寿司とはいえ、

そこらのスシローとか、はま寿司,くら寿司,かっぱ寿司と一緒にしちゃいけないわな。

しかしこの値段・・・一皿90円のはま寿司でも2,500円前後食う自分。

ここで食うといったいどれくらいになっちゃうんだろう・・・?

しばらくメニューとにらめっこしていたが、回れ右して向かいにあった韓国料理店に入った。

1,600円で、冷麺とサムギョプサル丼を堪能した。

ああ・・・今度、マークイズ行く機会があれば・・そのときこそは金沢まいもん寿司を・・・!

 

都市高速往復と駐車場、入場料、全部で3,440円也。

グッズと昼飯代をプラスして、7,000円ほど。

グッズ代を抑えたし、まあこんなもんかな。

同じ県内といえど、市内まで行くのはやっぱり金がかかるわ。

次は、福岡市美術館で開催されている、富野由悠季展だな。

美術館は都市高使わなくていいかな。

 

博物館の敷地内にあった胸像。

公共施設にありがちな、誰なのか解らない胸像シリーズ。

第十七代福岡市市長だとか。

 

セアカゴケグモ注意の看板。

そういや福岡市が一番発見数が多かったんだよな。

 

 

野良ネコにエサやるな!の注意看板。

その下になにやら物体。

 

よく見ると、エサやり常習犯の容器らしい。

近隣住民が困っているのだろう。

野良ネコが集まってる公園など、キャットフードの缶が大量に放棄されたりしている。

あれのフタってフチが危険なのよね。

糞の問題もそうだが、ネコ好きってそういうのを考慮しない、はた迷惑な輩が多い。

 

ねこバスのとこにひっそりとあった、空飛ぶトトロの影絵。

ねこバスに気を取られていて、気がつかなかった人も居たのでは?

 

エントランスの巨大船、夜だとこんなふうにライトアップされていたのね。

  



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