知られざる博多のソウルフード、酢もつ。
豚や牛の臓モツを、サッと湯通ししたものを、ポン酢でいただくというシンプルな小鉢。
博多の居酒屋では、ごまさばと並んで定番のメニューでもある。
既に全国区となった博多の郷土料理、もつ鍋。
同じモツを使った料理ではあるが、酢もつはまだまだ知られていない。
ようやく博多から福岡全域に浸透した程度で、まだまだ他県では見られないと思う。
自分はこれが好きで、スーパーなどで見つけては、夕飯にプラス一品でよく食べる。
スーパーなどで販売されているものは、ほとんどが豚モツ。
牛モツのものは、価格が高い。
酢もつは、その食感とモツの深い味わいを楽しむもの。
なので、湯通しする時間や、カットする大きさを考慮しないと、
ただの茹でたモツになってしまう。
ゆで過ぎると、歯ごたえが損なわれ、浅すぎると生臭さが残る。
胃や腸、部位によっても、湯上げに絶妙なタイミングが求められる。
市販のものは、大抵、茹で過ぎ状態。
まあ、充分に加熱してないと販売できないという事情もあるだろうが。
自分の大好きな白センマイの酢モツ。
味はあっさりだけど、歯ごたえがたまらない。
居酒屋で注文したことはないが、店によって牛,豚様々で、使っている部位も様々らしい。
なかには鶏を出すところもあるらしく、その場合は鶏皮と砂肝だとか。
鶏皮のみを酢モツとして出すところもあるようだけど、それはどうかと思う。
まず、モツじゃないし。
多くは、ネギを散らして、ポン酢をかけている状態で出されるが、
ゆず胡椒や、もみじおろしとポン酢で食べられる店もある。
個人的に、もみじおろし&ポン酢は美味しいと思う。
ふつうのセンマイもサッと湯通しすれば、これこの通り。
小葱を散らして、美味しい酢モツのできあがり。
出張などで博多に来た際にこの酢もつを食べて、その味が忘れられないという人も多いようで、
ネットで調べると、そういった方たちが、作り方を調べたり訊いたりしているのが見かけられる。
なんのことはない、好きな部位を適当な大きさにカットして湯通しするだけ。
ごくごく簡単なんだけどね。
女優なのか歌手なのか、本業がよく判らない、
福岡出身の芸能人、西内まりあさんが、NHKの歌番組だったかで、
東京に来て困ったこと?みたいなのを発表していたのだが、
「酢もつがないこと」とフリップに書いていて、
食べたいのにどこのお店にも置いてない!と、不満を述べていたのを覚えている。
彼女は福岡市出身なので、幼少から馴染みのある料理だったのだろう。
これも残念ながら豚のモツ。
価格もそれ相応。
まずいわけじゃなく、これはこれで美味い。
自分はというと、子どもの頃は食べた記憶がなく、
広島からこっちに戻ってきてから初めて食べたと思う。
以来、頻繁に食べるようになって、今やすっかり定番のおかず。
しかし酢もつは本来、ごはんのおかずではなく、酒呑みのための おつまみ。
自分は晩酌しないけれど、こういったおつまみ系のものを好んで食べる。
いつかは博多の居酒屋で、本場の酢もつを味わってみたいものだ。
オフで夜の博多に行く機会なんて、そうそうないのよね・・・。
そうそう、広島のモツ料理といえば、“せんじ肉”。
これがワイルドで最高に美味い。
これもいつか、ここで紹介したいな。
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